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不動産・教育の2本柱で成長加速

木造アパートの一棟売りビジネスを手がける同社は、今年も昨年同規模の40棟以上の開発件数を維持し、売上高は45億円（2025年11月期）を見込む。設立40周年を目前に、大台50億円を視界に捉えた。着実に成長を続ける不動産と日本語学校・専門学校の教育事業の2つを柱に、新たな挑戦を続けている。

開発40棟超、売上50億円視野に

同社の投資用木造アパートの開　発数は近年急速に増加し、今年も年間40棟以上のペースを見込む。
伸長する背景には同社が2017年から展開している「コンセプト不動産」が、独自のテーマ性を持つ物件として市場に浸透し、安定した入居率を維持していることから、主に口コミやセミナーを通じて、新規投資家が常に増えていることがある。また、阿部会長が出演する公式YouTube番組「ライオン父さんの少額不動産投資が最強」を通じて問い合わせも増えており、新規投資家がリピーターとなる好循環が生まれ、業績伸長を支えている。
エリア展開も拡大を続け、従来の福岡・名古屋に加えて、県内では北九州、久留米へと進出。さらに、近年は関東圏、特に埼玉・神奈川エリアへの供給が加速しており、今後の成長エリアとして開発の軸足を置く考えだ。
コンセプト不動産では新たな投資用アパートの形として「インダストリアルプラン」を開発。単なる住居としての機能を超え、デザイン性や快適性を重視したアパートシリーズとして市場に投入する。「入居者のライフスタイルに合わせた設計を採用し、競争が激化する投資用不動産市場での差別化を図っていきたい」と阿部社長は語る。
また、今年度は戸建て住宅事業にも本格参入する予定だ。投資用アパートの着工件数を増加したことで、同社に集まる土地情報も増え、アパート向きではない土地を自社で活用できないかと思案した結果の取り組みだという。実需だけでなく投資用としても販売することで、商品の裾野を広げて投資家に提供していく考えだ。阿部社長は「新規事業に取り組むことで、チャレンジ精神を掘り起こし、社内の活性化につなげたい」と意欲を燃やす。
供給棟数の増加に伴い、管理戸数も全国で3300戸を超える規模に達した同社。24年11月期の売上高は前年比12億円増の39億円超と大きく伸長。今期も45億円を見込み、飛躍が期待される。

（写真）新たなコンセプト不動産「インダストリアルプラン」は工業的で無骨ながら洗練されたデザイン

5学校を運営、GCA2号館が完成へ

一方で、グループの教育事業も進化を遂げている。学校法人愛和学園が運営する日本語学校の愛和外語学院では、出入国在留管理庁（入管庁）から「適正校（クラス1）」の資格を取得した。
同資格は入管庁が留学生の入国・在留審査を適切かつ円滑に行う観点から、毎年在留資格「留学」により留学生を受け入れている教育機関の中から適正校（留学生の在籍管理が適正に行われていると認められる教育機関）を選定するもの。阿部社長は「より安定した留学生受け入れ体制が可能となり、教育事業の信頼性を高めることができる」と笑顔をみせ、「現在442人（2部制）の留学生の受け入れ体制を、将来的には1000人規模に増やしていきたい」と展望を語る。
愛和学園では、同校のほかにグローバルクリエーターアカデミー（GCA、同市東区箱崎4丁目）、国際アニメーション専門学校（博多区博多駅前2丁目）、九州ビジネス専門学校（北九州市小倉北区）、愛和システムエンジニア専門学校（博多区博多駅前4丁目）の4つの専門学校を運営。2021年4月に開校した動画クリエイターを目指せるGCAでは念願の2号棟が1号館隣に完成し、4月から運用が開始するなど、学校法人でも着実に事業を拡大している。
現在の状況を「社内に追い風が吹いている」と表現する阿部社長。不動産と教育、ともに安定成長を続けながら、新たな領域へと挑戦を続けていく。

阿部大輔社長 あべ・だいすけ／1980年10月6日生まれの44歳。福岡市出身。県立香住丘高校卒。2008年同社に入社。15年6月から専務を務めていた。趣味はキックボクシング、ウェイクボード、ドライブ

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（ふくおか経済EX2025年）