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創業100周年、「未来を包む」
包装資材の総合メーカー

4月に創業100周年を迎えた包装資材の総合メーカー。パルプモウルド分野で国内トップシェアを誇り、昨年は新製品「パラミル」が日本パッケージングコンテストで入賞した。積極投資と新規市場開拓を強化し、国内外で事業拡大を推進。人的資本にも力を注ぎ、次の100年に向け新たな一歩を踏み出す。

新グループビジョンを策定

1925年4月の「大石商店」創業から100年。製紙原料と藁工品の販売に始まり、現在では国内で唯一、パルプモウルド（古紙をリサイクルして作る立体緩衝材）、フィルム、重包装袋、段ボールの4事業部を有する産業用包装資材の総合メーカーとして物流を支えている。特定の事業に偏らないバランスの良い事業構成で、1947年の設立以来赤字はなく、80年の上場から現在まで減配・無配なしの安定経営を続けてきた。
この大きな節目に先立ち、新グループビジョンを策定。パーパス「未来
を包む　-Inclusion for Future-」、
ビジョン「循環型社会に最適解を提供する」、バリュー「誠実 挑戦 共創」を明確にし、次の100年に向かって常に成長し続けるグループを目指す。

（写真）イチゴの海外輸出を可能にした、同社特許製品の「ゆりかーご」

積極投資と新規市場開拓を強化

パルプモウルド分野で国内シェアトップを誇る同社。日本包装技術協会主催の2024日本パッケージングコンテストでは、パルプモウルド製容器にフィルムをラミネートした新製品「パラミル」がジャパンスター賞（消費者団体推薦賞）を受賞。同社開発品は15年以来、10年連続の入賞となった。昨今の脱プラ・減プラの流れを受け、パルプモウルドの需要は年々高まっている。今後の供給体制強化とさらなる拡販を目指し、このほどパルプモウルド事業部茨城工場（茨城県北茨城市）内に新たな成型機の導入を決定。総設備投資額は約23億4,000万円で、26年6月の稼働開始を予定している。
一方で、昨年10月、マレーシア・クアラルンプールに連結子会社「FUSIONS TRADING MALAY-SIA SDN. BHD.」（以下FTM）を設立した。大石産業が有する長年のマレーシアにおける事業経験と同社国内におけるネットワークを通じて、生産者、物流、現地取引をつなぐ循環型ビジネスを構築する。生産者が同社の包装資材を使用し、イチゴや桃、ぶどうなどの農産物を輸出。それをFTMが仕入れ、東南アジアの顧客に直接販売する仕組みだ。顧客からは売れ行きや評判のフィードバックを受け、FTMは生産者と同社それぞれにフィードバックする。同社では、その内容をもとに資材の改良や開発につなげるという一連の流れとなる。山口博章社長は「第5の柱にすべく、事業拡大を推進していきたい」と意欲を見せる。

（写真）2024日本パッケージングコンテストでジャパンスター賞を受賞した新製品「パラミル」

豊富な教育研修制度が強み

今後のさらなる飛躍を見据え、人的資本への取り組みにも抜かりはない。管理部人事課の守田修一郎課長は「求める人物像は課題解決力、チームワーク、チャレンジ精神を持った人。新卒中途共にボトムアップを図っていきたい」と話す。入社後は階層別、職務別にテーマを設けた集合型研修のほか、通信教育、海外視察や留学など、豊富な教育研修制度がそろう。一昨年からは各種講座や語学教室の受講といった業務に関する自己啓発活動に対して、費用面でサポートする「自己啓発活動支援制度」を設置した。「夢のある明るい未来を包む企業」を目指し、一歩一歩着実に成長を続ける。

山口博章 社長 やまぐち・ひろあき／北九州市小倉北区出身。1958年5月27日生まれの66歳。福岡大学法学部法律学科卒。82年3月同社入社。2014年4月執行役員フィルム事業部長、17年6月取締役執行役員事業本部東京支店長、20年6月常務取締役紙袋・フィルム事業統括、22年4月常務取締役紙袋事業部長、23年1月から現職。趣味はスポーツ、ウオーキング

採用情報
募集職種／総合職（営業、製造、技術、管理、IT関連）
応募資格／大学院卒、大卒、高専卒（2026年卒業見込み）、3年以内の既卒者も可
採用実績／2025年度10人
採用予定／6～10人
インターンシップ／8月と2月に開催
年間休日／122日
問合せ先／TEL. 093-661-6513
担当／管理部人事課　淵上裕衣

（ふくおか経済EX2025年）