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3億円強かけ本社工場を増設  第一施設工業    完成は11月末予定


 半導体・液晶工場のクリーンルーム(無塵作業室)向け搬送システム製造、第一施設工業株式会社(粕屋郡新宮町大字上府、篠原統社長)は6月15日、総投資額3億円強をかけ本社工場の増設工事に着手した。完成は11月末予定。
 これはトップシェアを誇る主力の「垂直搬送機」の増産と、次世代の搬送システムとして第2の柱と位置付ける「非接触搬送装置」の生産に対応するもの。現工場東側の駐車場に2階建て新工場を増設。延べ床面積が2,310平方メートルで、1階を組立工場、2階を展示室や応接室にする。当初は新工場の西南角側に高さ50メートルのテストタワーを設置する計画だったが、来年以降の2~4期工事に先送りした。
 篠原社長は「業界の設備投資は来年以降にずれ込む傾向にある。今年7月に設立40周年を迎えるが、工場増設を来年以降の “一段の飛躍”に向かう礎にしたい」と話している。
 本社工場は04年10月に完成。敷地面積が約8,800平方メートルで、建築面積が約2,100平方メートル、延べ床面積が西側の事務所部分が3階建てで約1,100平方メートル、東側の工場部分が約1,600平方メートル。

 新潟の高所作業台メーカーを子会社化

 また同社は今年4月、新潟市亀田の高所作業台メーカー、株式会社シップ(佐藤義信社長、資本金2,000万円)を子会社化した。
 シップの高所作業台は、その昇降装置と作業台用手摺で2件の特許を取得。同クラスでは通常の半分という超軽量で、エレベーターでも運べるコンパクトサイズや、自動昇降装置による移動や操作が簡単なのが特徴で、主に建設工事や各種メンテナンス作業で使われている。シップの技術力が「他を以って代え難いモノ作り」を標榜する同社の経営理念と合致することや、製品の販売拡大の余地が大きいことから、シップの6,200万円の第三者割当増資を引き受けた。出資比率は73.8%で、篠原社長が代表取締役に就任した。今後はシップ自体の販売拡大を目指すほか、大阪以西の販売は同社が担い、全国に100社の販売代理店構築を目指す。同社では8月以降に同事業を本稼動する方針で、すでに2人を増員。来年には事業部に昇格させるほか、将来的には同社での製品組立も視野に入れる。シップの直近売上高は2億5,000万円だが、計画では同事業の両社合計の売上高は初年度で6億円、2年目に10億円を目指す。従業員は7人。
 同社は1967年7月設立、資本金7,950万円。エレベーター据付工事業から90年に研究開発型メーカーに転換。91年に開発した無塵昇降装置が国内・東南アジアの液晶・半導体工場で約80%のシェア獲得。07年1月期は売上高31億3,000万円、経常利益1億5,100万円。中小企業庁が06年に選定した「元気なモノ作り中小企業300社」に選ばれている。