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10月10日に上海の現地法人が業務を開始 南陽 現地に担当役員送り中古建機の市場調査も


 地場総合機械商・株式会社社南陽(福岡市博多区博多駅南五丁目、武内禮次社長)が中国・上海市に設立した現地法人は、十月十日に現地の営業認可を受けて業務を開始した。
 上海、蘇州、無錫などの上海経済圏では日本企業の進出が活発で、同社の得意先のメーカーも多く進出している。こうした背景から、同社では昨年十月末に蘇州に連絡事務所を開設し、顧客に対するサービス強化と同時に、現地でのビジネスの可能性を探ってきた。進出した得意先を中心にハイテク関連機器などの需要が見込めることから現地法人の設立に踏み切り、十月十日に現地での認可を受けたもの。さらに、今月中旬には担当役員を現地に送り、中古建機の販売ビジネスの可能性をついても調査を進める方針で、現地でのビジネスを本格的に開始する。現地法人の社名は「南央国際貿易公司」で、登記上の本社は上海市に置くが、蘇州の連絡事務所が実質的な機能を持つ。従業員は四人で、うち二人は同社から派遣する。
 同社は台湾の台北に合弁会社を持ち、ハイテク関連で前期七億五千万円を売り上げている。また、香港の現地商社に中古建機を卸し、中国市場で約三十億円を売り上げている。このほかにも、大連の日系企業から油圧機器を仕入れて信州の農機具メーカーに販売するなど、アジアでの展開を進めている。この結果、九七年三月期には四億四千万円に過ぎなかった海外取引は、〇三年三月期には三十七億八千万円に拡大。そのうちアジアが二十九億円を占めており、海外ビジネスの中心になっている。
 さらに今期はハイテク機器の需要が好調なことから台湾では二十億円、香港の中古建機販売は三十二億円に増える見込みで、アジアだけで五十億円を超える売り上げを見込んでいる。同社では今期経常利益を過去最高の十億円に設定しているが、アジアでのビジネスが好調なことから、武内社長は「不安定な要素もあるので気をつける必要はあるが、今期の経常利益は十億円を超える可能性も出てきた」と話している。

2003.10.15 発行 週刊経済より