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07年度の生産台数は年間40万台超に  川瀬日産九州工場長    第1工場は今月中にフル稼働


 日産自動車株式会社九州工場(京都郡苅田町)の川瀬賢三理事・工場長は1月9日、ふくおか経済2月号インタビューに応じ、07年度の年間生産台数は年間40万台超になることを明らかにした。これは新たに「エクストレイル」などSUV(スポーツ多目的車)4車種の生産が相次いでいるため。同工場長は「上期は年間15万台での生産が続いていたが、下期に入り、新たな生産台数も年間40万台超に増え、第2工場に続き、第1工場も今月中にはフル生産体制になる」と語った。
 ―新型車種の投入で、九州工場での生産は好調な状況が続いている。
 川瀬 2004(平成16)年度から06年度にかけ、モデルチェンジが全くなかったが、07年に入り、SUV(スポーツ多目的車)の新型車種が相次ぎ投入され、状況は大きく一変した。従って、上期は15万台で推移していた生産台数は、新たに25万台増え、07年度は前年度よりも約5万台多い40万台超になる見通しだ。
 ―生産ラインは能力いっぱいの状態で稼働していると。
 川瀬 いっぱいに近い状態だ。下期に入り、第2工場では2直態勢によるフル生産が続いているが、第1工場も1月中にはフル稼働の状態になる。まさに人手不足の状態も否めない状況だ。九州工場では完成車が10万台増えると、1000人不足する。従って、派遣会社に無理をお願いし、何とか1000人近くの要員を確保しながら、生産を展開している。
 ―生産台数の増加に貢献しているSUV「エクストレイル」「ローグ」「ムラーノ」「デュアリス」の生産台数は、月別でどれくらいに上るのか。
 川瀬 「エクストレイル」は欧州や国内市場で非常に好調なこともあり、月1万台、あるいはそれを超える台数を生産している。「ムラーノ」は北米を中心に国内市場を含めて1万台強、9月から生産を開始した「ローグ」は約7000台から8000台のペースで生産している。「デュアリス」は約2000台を計画している。
 ―07年度の生産台数は年間40万台超になる見通しだが、最終的にピーク時の年53万台(03年度実績)に近づくことが考えられるか。
 川瀬 日産自動車では、車種ごとの売れ行きを微妙に調整し、自動車を生産している。最終的に何万台になるかを申し上げることは難しい。例えば1月半ばから北米で先行販売する新型「ムラーノ」が、爆発的にヒットすれば、最盛期の53万台に近い台数を生産できるが、現段階で予測はできない。ただ、工場の立場で申し上げれば、「作れるだけ、作る」という意気込みで生産に臨んでいきたい。