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05年4月めどに新病院を建設 福岡和白病院 総工費は60~70億円


 福岡和白病院(福岡市東区和白二丁目、蒲地真澄会長)は、現病棟の隣接地に二〇〇五年四月のオープンを目指し新病院を建設する。着工は〇三年十月、総工費は六十億円から七十億円になる見込み。
 現病棟の狭隘化と患者の増加に対応するもの。建物は鉄骨鉄筋コンクリート造り十階建てで、敷地面積は一万六千五百平方メートル、延床面積二万千四百五十平方メートル、病床数は二百五十床。一階は総合受付、救急救命センター、MRI(核磁気共鳴診断装置)、レントゲン室、PET(ポジトロン断層撮影)センター。二階は外来、手術室、三階はICU(集中治療室)、心臓病センター。四階から九階が入院施設となる。十階はレストラン、浴室。屋上は心臓病救急患者受け入れのためのヘリポートも備える。二十四時間三百六十五日診察体制を備え、総スタッフ数六百人程度となる予定。診療科は内科、外科、整形外科、小児科、心臓病センター、脳神経外科、形成外科、眼科、泌尿器科等の十七診療科。

 ポジトロン断層撮影機器(PET)の導入を計画

 また、同病院は来年四月にポジトロン断層撮影機器(以下PET)の導入を計画している。新病院にも同機器導入が決定しているため、運用ノウハウ蓄積のため、前倒しで現病院にも導入することになった。PETはX線CTスキャンと同様の装置で、検査部位を縦切り、横切りの断 層映像を撮り、病気の原因や病状を診断するもの。ポジトロン(陽子)を標識とした糖分、アミノ酸、水などの化合物を呼吸や静脈注射で体内に注入し、脳やがん細胞に集まる様子をPET機器で撮影することで脳やがん細胞の様子を診断できる。〇・五センチメートル以上の大きさのがん細胞を九五%以上の確率で発見できるという。福岡県では新古賀病院に続いて二番目の導入となり、蒲地会長は「導入費用は十億円を切る程度」と話している。
 同病院は一九八七年七月設立、医療財団法人池友会に所属し、同池友会には新行橋病院(二百四十六床)、新水巻病院(二百床)、小文字病院(百八十九床)、下関リハビリテーション病院(百六十五床)、香椎ケ丘リハビリテーション(百三十三床)などがある。
 蒲地会長は八女郡黒木町出身、一九四〇年四月十五日生まれの六十三歳、九州大学医学部卒、趣味はハイキング、ゴルフ、旅行。
2003.06.24 発行 週刊経済より