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84社目の「グリーンアジア特区」指定法人に 日本触媒
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週刊経済2026年1月28日発行号
375億円投じ28年に北九州新工場を設立
大手化学メーカの㈱日本触媒(大阪市中央区、野田和宏社長)は昨年12月22日、福岡県と福岡市、北九州市などが推進する「グリーンアジア国際戦略総合特区」を活用する84社目の企業に指定された。
今回の指定は、北九州市に新設するリチウムイオン電池用電解質「イオネル」の生産工場建設と設備導入に対するもの。電気自動車の普及において、長寿命化や充電時間の短縮が課題となる中、「イオネル」は従来品と比較して電池寿命を1・6倍に延ばすことが可能となる。さらに低温・高温特性改善や安定性を飛躍的に高めることができる革新的な素材であることから、自動車の電動化が進んでいく中、需要拡大が期待されている。
新工場は、北九州市若松区響灘地区に建設される。敷地面積は約6万5千㎡、生産投資総額は約375億円、従業員数は約50人を予定している。生産規模は、年3千トンで、26年1月に着工し、商業運転開始は2028年7月を目指す。25年4月には北九州市と立地協定を締結した。
同特区は11年12月の発足以降、「環境」に配慮した製品の開発・製造を手がける製造業に対し、税制面での優遇措置などを提供していることから、有力な政策支援メニューとして定着している。今回の指定によって、同特区における設備投資の累計額は約5390億円、新規雇用者数の累計は約3050人となった。
25年12月22日に開催の法人指定書交付式で野田社長は、「福岡には半導体関連産業において、世界トップレベルの企業が集積しており、研究開発拠点の整備や高度人材育成にも積極的に取り組んでいる。こうした成長産業に力を注いだ政策は、進出企業として非常に励みになっている」とした上で、「イオネルは、電気自動車用電池をはじめ、再生可能エネルギー活用のための系統用電池でも引き合いが増えている。特区での事業を通じて、今後さらなるシナジー効果を創出していきたい」と意気込みを語った。

