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1936年製ボイラーが建築設備技術遺産に 昭和鉄工


建築設備技術者協会から認定

熱源、空調機器メーカーの昭和鉄工㈱(糟屋郡宇美町宇美、福田俊仁社長)は5月29日、1936年に製造した鋳鉄ボイラーにおいて、建築設備技術者協会から建築設備技術遺産の認定を受けた。
滋賀県の犬神郡豊郷尋常小学校の全館暖房用ボイラーとして使われていたもので、昭和初期に「アサヒボイラー」として販売されていた。同製品にはストーカーと呼ばれる自動給炭器(石炭の自動供給装置)が備えられており、手焚きに比べて労力的にも燃焼効率的にもメリットがあったという。同校舎は名建築家といわれるウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計で国の登録有形文化財指定を受けており、当時は珍しかった鉄筋コンクリート造で、温水暖房や内線電話、ガス供給設備など時代の最先端を行く設備が備えられていた(同協会)。同協会では「建築設備機器は昨日の劣化とともに解体撤去されてしまうが、当製品は戦時中の供出を逃れ、建物とともに現存しており戦前の貴重な建築設備遺産として認定するに値する」と話している。

2019年6月11日発行