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鶏卵相場高で増収、震災で原料単価上昇し減益  イフジ産業    子会社の調味料事業は増収増益


 粕屋郡粕屋町の業務用液卵メーカー、イフジ産業株式会社(藤井徳夫社長)の2012年3月期の第1四半期連結決算は、売上高が前期比5・8%増の29億1百万円、経常利益が同20・5%減の1億7千万円となった。
 鶏卵相場高の影響などで増収となったが、東日本大震災で被災した茨城県の関東工場が全面復旧するまで、ほぼ1カ月間を要した影響で減益となった。営業利益は同21・9%減の1億62百万円、四半期純利益は同53・5%減の62百万円だった。
 主力の液卵売上高は前期比9・4%増の24億27百万円。販売数量は震災の影響で前年同期比で10・1%減少したが、鶏卵相場が前年同期間に比べ20・4%高く推移した。加工品その他を合わせた売上高は5・6%増の25億86百万円となった。損益面では、震災の影響から全国的な鶏卵の供給不足で、鶏卵需給がタイトに推移して原料買い付け単価が上昇。関東工場が被災した影響もあり、営業利益は28・2%減の1億24百万円となった。
 一方、子会社の日本化工食品株式会社の調味料関連事業では、震災の影響でカップめんや即席めんの需要が増加したことから、主力製品の顆粒や粉末調味料の販売が増加。売上高は7・7%増の3億9百万円、営業利益は10・6%増の36百万円となった。

 特別損失の物流コスト減で利益見込みを上方修正

 また、同社は8月10日、5月19日に公表していた第2四半期の業績予想を上方修正した。
 当初特別損失として見積もっていた物流コストなどが、予想に比べて約4割減少したことから利益面で修正した。売上高は当初の見込み通り53億68百万円だが、経常利益は当初予想を33百万円上回る2億68百万円に修正。営業利益は2千万円上方修正し2億61百万円、純利益は41百万円上回る1億円の見込み。
 同社では関東工場の被災に伴い、緊急対応として一部製品を関西工場と名古屋工場から関東工場に代替供給する物流体制をとっていた。関東工場の全面復旧で通常操業に戻る期間が想定より短縮されたことから利益面の予想を見直した。なお、通期予想については修正を見送り、売上高が3・6%減の113億18百万円、経常利益が6・1%減の6億69百万円を見込んでいる。