NEWS

高齢者施設での感染症拡大防止に関する研究開始 HYUGA PRIMARY CARE


週刊経済2025年3月12日発行号

東大など3社共同で

在宅訪問調剤薬局「きらり薬局」などを運営するHYUGA PRIMARY CARE㈱(ヒュウガプライマリケア・春日市春日原北町2丁目、黒木哲史社長)は、東京大学大学院工学研究科附属水環境工学研究センターなどと共同開発を開始した。

同社は23年1月に有料老人ホームを開設したのを皮切りに、今年4月に久留米市に4棟目を計画。今後も施設運営事業を拡大していくため、施設において感染症拡大を未然に防ぐことを目的とした研究を実施するもの。下水処理場などで実用段階になっている「下水疫学」の第一人者である北島正章特任教授(東京大学大学院工学系研究科附属水環境工学研究センター)と同社のプライマリケアホームひゅうが博多麦野でウイルス検出などの実証実験を実施する。下水疫学とは下水中のウイルスなどの病原体を検出し、集団レベルの感染状況を把握することで公衆衛生の向上につなげる学問のこと。ウイルスモニタリング受託などの㈱AdvanSentine(アドバンセンチネル・大阪市中央区、古賀正敏社長)との3者連携により医療介護の知見、化学的、技術的知見を合わせ、感染症対策マニュアルの作成につなげ、感染症に強い施設の技術実現、手法など商用化を目指す。同社では「高齢化社会における在宅患者の生活質向上と高齢者施設で働くスタッフの安全な労働環境を構築していきたい」と話している。