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食品移動販売の豆吉郎をグループ化 西日本新聞社


社長にビジネス開発室田崎氏が就任

㈱西日本新聞社(福岡市中央区天神、柴田建哉社長)は7月4日、食品移動販売業の㈱豆吉郎(福岡市中央区長浜、宮嵜太郎社長)の株式を取得し、グループの傘下に加えた。

豆吉郎は、豆腐を中心とした食品の移動販売を手掛け、九州、中国、近畿エリアに24の販売拠点を持つ地場ベンチャー企業。このたび、豆吉郎からの株式売却の申し出に西日本新聞社が応じる形で、事業多角化の一環としてのM&Aが成立した。地元を中心に販売する新聞業と顧客ターゲットが重なることや、成長のポテンシャルが高いと判断されたことが、受け入れの決断につながったという。同日付で、代表取締役社長に西日本新聞社ビジネス開発室の田崎行範氏が就任。宮嵜前社長は、取締役会長に就いた。今後は、グループの販売網を活用しながら、地域密着の新サービスを提供していくという。

田崎新社長は「西日本新聞グループの傘下になり、さらなる認知度や信頼度を得ることで、事業拡大のスピードを加速させていきたい」とコメントしている。田崎社長は02年に西日本新聞社入社。15年まで広告局に所属し、16年からビジネス開発室で新規事業やM&A、業務資本提携などを担当してきた。

豆吉郎は05年創業。資本金1000万円。従業員135人。国産高級大豆「フクユタカ」を使った「生(なま)豆腐」を移動車で販売する事業を展開しており、直営店2店、移動販売拠点24カ所のネットワークを持つ。

前期決算、減収減益も最終利益は約7倍に

また西日本新聞社は、6月29日に2017年3月期決算を発表。単体売上高(営業収入)は前期比4・3%減の247億3500万円、経常利益は同0・8%減の4億5300万円で、2年ぶりの減収減益だった。

減収は11期連続。販売、広告の各部門で前期を下回り、特に販売は福岡都市圏に象徴される無読者層の拡大が響いて前期に比べ7億円の減収(4・4%減)だった。一方、不動産収入は子会社が保有していた不動産を取得するなどして前期比7・3%増と大きく伸ばし、6年連続の増収となった。また、営業費用は用紙費、人件費、経費ともに節減に努め、全体で4・6%減の246億1500万円。営業利益は1億2000万円の黒字を計上。営業外収益を加えた経常利益も前期とほぼ横ばいの水準で黒字となり、税引き後の当期純利益は前期比で約7倍となる3億7000万円となった。

グループ会社15社との連結決算は、売上高が前期比3・1%減の546億9900万円、経常利益は同10・0%増の20億5600万円で、減収増益。営業費用は同3・1%減の530億4000万円、営業利益は同2・0%減の16億5800万円だった。

2017年7月11日発行