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設備メーカーと共同で冷凍機の遠隔監視を本運用 キリンビール福岡工場


週刊経済2021年7月27日発行

今後全国の同社工場でも実施

キリンビール㈱福岡工場(朝倉市、高橋伸夫工場長)は、ビッグデータ活用による設備管理とIoT(モノのインターネット)を活用した冷凍機の遠隔監視の本運用を5月から開始した。  冷凍機など設備メーカーの㈱前川製作所(東京都江東区、前川真社長)と共同で昨年1月からテストしていたもので、冷凍機の稼働効率化・設備点検負荷の軽減が認められたため、5月から全冷凍機に対象を拡大した。
福岡工場では、ビールやRTD(缶チューハイやハイボールなど)の原材料を保管する冷凍機にセンサーを取り付けて運転状況のデータを蓄積し、ビッグデータを活用することで消耗品の劣化・設備異常の兆候管理が可能となっている。また、冷凍機の周囲にネットワークカメラを配置して遠隔監視し、IoT技術を活用して、工場内と同時に設備メーカーである前川製作所も冷凍機の運転状況を共有できるネットワークシステムを構築。設備の異常検知時には迅速な初動対応が可能となっている。これらによって、工場設備の突発的な故障の防止と稼働効率化、省エネルギー化が見込めるとともに、定期点検や現場でのトラブルシューティングといった作業時間の省略化が進むことで、両社の業務負荷軽減につながっているという。
前川製作所では、この技術を用いたシステムを7月から「スマートチラー」として商品化、キリンビールは9月からキリンビール仙台工場での稼働を予定しており、前川製作所の冷凍機を設置している他の全工場でも導入を目指している。