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観光振興や新規会員獲得などに全力投球  本村康人久留米商工会議所会頭    ふくおか経済4月号取材


 本村康人久留米商工会議所会頭は、3月11日、ふくおか経済4月号インタビューに応じ、2011年春の九州新幹線全線開業を見据えた観光振興や新規会員の獲得、中心市街地の活性化などに全力投球いくことを強調した。本村会頭は昨年11月1日付で、前川博前会頭の退任に伴って、会頭に就任した。インタビューの主な内容は次の通り。
 ―就任から5カ月が経つが、改めて抱負を。
 本村 平時ではなく、非常時での会頭就任となった。行き過ぎた競争至上主義、市場原理主義が加速し、地方経済の疲弊はピークに達している。責任の重さを痛感しているし、「地元商工業者の代弁者」として、その使命をしっかりと果たしていきたい。
 地域経済の活性化は、商工会議所にとって大きなテーマ。ハードだけでなく、ソフト面での取り組みも重要だ。「地産地消」という言葉があるが、地元で手に入れる商品やサービスは、地元で消費することから経済の活性化を図っていきたい。
 ―4月からは08年度がスタートする。新年度の活動方針や目玉事業は。
 本村 「小さな企業 大きな元気 行動する久留米商工会議所」を新しいスローガンに掲げ、事業を展開していきたい。ひとつひとつの力は小さいけれども、約5000会員が一致団結すれば、大きな力になる。存在感があり、会員がメリットを実感できる商工会議所を目指していきたい。そのためには商工会議所と会員間との円滑な意思の疎通が求められる。そういう意味では「風通しの良さ」も実感できる体制へと機能を充実させることが大きなテーマだ。
 08年度の目玉事業は、ラーメンや焼きそば、うどんなど安くておいしい食べ物であるB級グルメを通して、地域の活性化を目指す団体・愛Bリーグとの共催で「B級グルメの祭典 B1グランプリ」を共同で開催する。11月1日から2日までの2日間の日程で、市内の東町公園と三本杉公園を会場に開く。昨年、静岡県で開かれた祭典では25万人の来場があったそうだが、今回は10万人以上の来場者数を見込んでいる。久留米ラーメンや焼き鳥、筑後うどんなど久留米を代表する名物料理を全国に発信していきたい。2011年春には九州新幹線が全線開業するが、久留米を「B級グルメの街」と認知していただけるような下地としていきたい。
 ―新規会員の獲得について。
 本村 会員増強委員会を組織し、獲得に向けた努力を展開している。現在、久留米商工会議所の会員数は、約5000会員だが、5500会員を目標に努力を続けている。
 ―九州新幹線の全線開業を3年後に控えているが、観光振興策は。
 本村 「乗る」と「降りる」は大きな違い。いかに多くの方々に久留米に降りていただけるかを考えていく必要がある。官民一体で知恵を出し、ユニークなアイデアで振興策を打ち出していくことが重要だ。観光コースについては、地元の人間が知らない場所や筑後川などを観光スポットの目玉にしていくことが重要だと思う。
 さらに05年2月の平成の大合併で、灘(神戸市)、伏見(京都市)に並ぶ「国内三大酒どころ」になったことも大きな観光資源だ。旧三瀦、城島町を中心に18の清酒メーカーが軒を連ねている。商工会議所では05年度から久留米市内のホテルを会場に「新酒を楽しむ会」を実施している。今年度は3月25日にルネッサンス創世で開催する。
 ―中心市街地の活性化をどう考えるか。
 本村 国も改正まちづくり三法を施行し、地方都市の中心市街地活性化に本腰を入れ始めている時期でもある。国のメガネに適う活性化策を打ち出していく必要があると思う。個人的には、自然環境との調和がとれた中心市街地を目指していくべきだと考える。町の街路や公園を緑の木々でいっぱいにし、団塊世代のご夫婦が住む構想の都市型住宅を整備する。1階には商店やカフェ、クリニックをはじめ、役所の出張所が入居するような街を形成することが理想だと考えている。いずれにしても2,3年という期間ではなく、最低でも50年のスパンで考えていく問題だ。