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約8億円投じ北九州市八幡東区に生産拠点   愛知県の豊田合成   トヨタ自動車九州の増産に対応


 トヨタグループで東証一部上場の自動車部品メーカー、豊田合成株式会社(愛知県西春日井郡春日町、松浦剛社長)は約八億円を投じて北九州市八幡東区大字前田字洞岡の新日本製鉄株式会社八幡製鉄所構内(旧シームレス鋼管工場)に生産拠点である「北九州工場」を設け、今年九月の稼動を予定している。
 これはトヨタ自動車九州株式会社(鞍手郡宮田町、渡辺顕好社長)が今秋に予定している増産に対応し、生産供給体制の確保と物流効率の向上を狙ったもの。〇七年度に売上高約百十億円、従業員約百八十人体制を目指している。
 北九州工場は投資抑制のため、建物を新日鉄から賃借。建物規模は生産開始時に約五千平方メートルで、〇六年度末には約一万平方メートルに増床する。投資額は約八億円で、うち今年度が五億二千万円。生産品目は「ボディシーリング事業」として自動車用車体シール部品(ガラスラン、オープニングトリム、トアウェザストリップ等)の接続等、後加工、「セーフティシステム事業」として自動車用セーフティシステム製品(ハンドル、エアバッグモジュール)の組み付け。事業計画では〇五年度で売上高約十億円、従業員七十人体制、〇七年度に売上高約百十億円、従業員約百八十人体制を予定している。
 北九州市産業学術振興局産業誘致部誘致課では、今回の北九州進出は、(1)主取引先であるトヨタ自動車九州へ三十分圏内であるほか、ダイハツ車体株式会社大分工場、マツダ株式会社防府工場、日産自動車株式会社九州工場にも近接しており、北九州市がその中心部に位置し、自動車関連企業が立地する好適地であること、(2)産業都市としてのインフラ整備が充実し、交通の利便性が高く、また、「ひびきコンテナターミナル」が四月に開港し、門司港に加え外国貿易の拠点であること、(3)工場の賃借により初期投資コストの低減が図られること、(4)企業立地に対する優遇制度の支援が受けられること、(5)福岡県が進めている「北部九州自動車百万台生産拠点推進構想」など、自動車関連産業の振興策が期待できること、を主な要因に挙げている。
 同市への自動車関連企業の進出は株式会社デンソー、九州シロキ株式会社などに続き六社目となり、また旧シームレス工場への立地はナミティ株式会社、九州シロキ株式会社などに続き九社目、従業員は九社で約千四百三百人となるという。