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第2滑走路、国際線ターミナル増改築事業の供用式 国土交通省、福岡国際空港


週刊経済2025年3月12日発行号

中野国土交通相らが出席

国土交通省(大阪航空局、九州地方整備局)と福岡国際空港㈱(FIAC、田川真司社長)は3月2日、福岡市中央区大名2丁目の西鉄グランドホテルで第2滑走路と国際線ターミナル増改築事業の供用式を開いた。

3月20日に第2滑走路の供用、28日の国際線ターミナルグランドオープンに先駆け実施した供用式には、中野洋昌国土交通相、麻生太郎元副総理兼財務相をはじめ、服部誠太郎知事、福岡市の高島宗一郎市長ら350人が出席。中野国土交通相は「増設滑走路の供用により、福岡空港は東アジアをはじめとした海外とのゲートウェイ機能がさらに強化される。観光やMICEの拡大につなげ、地域経済の活性化につなげてほしい」と祝辞。麻生元副総理は自身が財務相だった2015年度が事業年度になったことなどを踏まえ、「2500メートルの滑走路が新たに供用し、処理能力が増える。福岡県のみならず、九州のさらなる発展、地域経済のますますの発展に期待したい」と祝辞を述べた。地元福岡1区選出で衆議院国土交通委員長を務める井上貴博衆院議員、自民党参議院幹事長、党航空特別委員会委員長を務める松山政司参議も処理能力の拡大が路線拡大につながり、インバウンドの拡大等による地域経済活性化への期待感を述べた。一方、服部知事は「インバウンドに加え、地場企業の海外展開や農水産物の輸出拡大、産学官連携で取り組む国際金融機能誘致など〝世界に選ばれる福岡県〟を進める上で大きな弾みとなった」、高島市長は「常態化している空港の混雑緩和が進み、定時性の確保や航空ネットワークの拡充につながる」と期待を述べ、「欧米豪の誘客などを目指す西のゴールデンルート、TEAM福岡による国際金融機能のさらなる誘致につなげていきたい」と期待を寄せた。来賓あいさつ後、テープカットとくす玉回披で供用を祝った。

第2滑走路は国際線側に新設され、延長2500メートルで総事業費は約1643億円、15年4月に事業化し、16年4月から工事に着手していた。供用に伴い、空港の処理能力は現行の年間17万6千回(1時間当たり38回)から18万8千回(同40回)まで増加する。国際線ターミナルの延べ床面積は従来比2倍の約13万6千㎡まで拡張。保安検査レーンにスマートレーンが導入されたほか、新免税店の売り場面積は従来比4倍まで増床する。また、国内線ターミナルを結ぶ内際連絡道路も新設され、連絡バスによる移動時間の短縮なども実現している。