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福ビル建替えへ、高さ96mのエリア最高峰ビルに 西日本鉄道


総投資額400億円超、コア・ビブレと一体開発

西日本鉄道㈱(福岡市中央区天神、倉富純男社長)は8月3日、福ビル街区(福岡ビル、天神コアビル、天神第1名店ビルを含む街区)第1期事業の建替計画を決定し、新ビルの概要を報道陣に公開した。
西鉄本社などが入る福岡ビル(通称福ビル)は1961年の竣工から間もなく57年が経ち、老朽化が目立っていたことから建替えの必要性に迫られており、同社は隣接する天神コアビル、天神第1名店ビル(福岡ビブレ)と一体となった開発を検討してきた。今回発表した計画は、福岡ビル、天神コアビルの2棟を建替える第1期事業と位置付けられ、新ビルのデザインや規模などが発表された。
新ビル(2期含む全体計画)の概要は、地上19階、地下4階建て。福岡市が推進する「天神ビッグバン」による航空法高さ規制の緩和策を活用し、高さは現在の75mから大幅に伸長した96mになる計画で、天神地区では最高峰の建物となる。さらに、敷地面積は6200㎡、延べ床面積は約10万㎡で、幅約100m、奥行約80mを誇る天神最大の構造物となる。新ビルの機能面については、低層階(地下2~4階)に商業機能、8~17階にオフィス、18、19階にホテルが入る複合施設を計画する。中でもオフィス部分はフロア面積が約900坪と九州最大の基準階面積を誇る賃貸オフィスを計画しており、外資系企業などの誘致を目指す。また、商業部分には書店をはじめオフィスワーカー向けのテナントを誘致する方針。ホテルに関しては、自社で運営(西鉄イン)するか、運営事業者に委託するかを今後固めていくという。5、6階には天神交差点を一望する九州最大のスカイロビーと各フロア直結のシャトルエレベーターを設ける予定で、新たなビジネスや文化が創出される交流拠点として活用していく。外装デザインは六本木ヒルズ森タワーなどを手掛けた米国の大手事務所「Kohn Pedersen Fox Associates」が担当。総投資額は未定ながら、400億円以上が見込まれるという。
倉富社長はパースを公開した新ビルについて、「スマートな福岡を象徴するデザインになったと思う。新ビルの開発コンセプトは『創造交差点』。福岡が次のステージに入るきっかけとなるビルになれば」とコメント。また、会見に同席した髙島宗一郎福岡市長は「福岡のど真ん中に新たなランドマークができることに感銘を受けている。天神ビッグバンがいよいよ本格的に動き始めたことを実感した」と期待を語った。
今後のスケジュールは、来年4月以降に福ビルの解体に着手し、20年4月以降に天神コアビルの解体に着手。23年12月までに1期ビル竣工、24年春の1期ビル開業を予定する。福岡ビブレが入る天神第1名店ビルは、長地取得に向けた交渉が続いている段階だが、倉富社長は「建替えという方針自体は理解を得ているので、早期に交渉をまとめ、24年の全体開業に間に合わせたい」と話している。また、開業以来長く若者に親しまれてきた天神コアについては「現在の建物は無くなるが、今後も何らかの形で天神コアの名前を残せるよう、検討を進めているところ」と明かしている。

2018年8月14,21日合併号