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直方市のADOX福岡にEMC試験所を開設  横浜市のテュフラインランドジャパン    安全試験など受注


 製品安全試験や認証などを手掛けるテュフラインランドジャパン株式会社(横浜市港北区新横浜3丁目、ミヒャエル・ユングニッチュ社長)は9月3日、直方市植木の公的産業支援施設「直鞍(ちょくあん)産業振興センター」(以下 ADOX福岡)内に車輌・車載機器用EMC(電磁両立性)を備えた試験施設「九州EMCラボラトリー」を開設した。
 場所はJR筑豊本線の筑前植木駅西側。敷地面積は4222平方m。県が推進する「北部九州自動車150万台先進生産拠点推進構想」を背景に、自動車産業の発展とEMC試験・認証に対する需要増が見込まれることから開設した。電子・電気機器が自ら発する電磁波の量や、周辺機器から発生する不要電磁波などの外来ノイズに対する耐性について、国際規格に適合した測定をできるのが特徴。
 世界各国の安全基準を満たしているかを検査する第三者認証機関の同社とADOX福岡が協力体制を整えることで、EMC評価試験だけでなく品質認証のワンストップサービスが可能になった。アドバイスや法規・規格関連の説明を行う「EMC技術アドバイザー」や、持ち込めない大型機器などを設置現場に訪問し、各種試験を実施する「オンサイト(出張)測定」の委託契約も締結している。アドバイザー利用は無料、オンサイト測定は1日当たり30万円前後。営業時間は午前9時から午後5時まで。休業日は土日祝日と年末年始。同社は「九州北部地域の電子・電気機器産業や自動車産業の活性化に貢献していきたい」と話している。
 同社は1983年3月設立。資本金3億7千万円。従業員4百人(10年2月)。09年12月期売上高は75億円。親会社の本拠地はドイツのケルンにあり、世界61カ国に展開している。ADOX福岡は2002年4月設立。「北九州地域基盤的技術産業集積活性化計画」に基づき、当地域に集積している多種多様な産業を支援するための拠点施設として直方市が整備したもの。04年4月から財団法人直鞍情報・振興協会が運営している。