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畜産向け消臭システムを開発販売 オーレック


ラインナップ4種

乗用草刈機、自走式草刈機メーカーの㈱オーレック(八女郡広川町、今村健二社長)は畜産消臭システムを開発し2月12日、専用サイトを開設して、本格販売を始めた。  開発したのは、畜舎や経営規模に合わせて設置する薬剤散布機能付き暑熱対策用細霧機で、散布用ミストは、日本国内で採取した鉱物から特殊な方法で抽出した成分でアンモニアを分解抑制し消臭する。製品名は「Dr.MIST(ドクターミスト)」。設定した時間になると本体から原液となる「ドクターミスト」が供給され、ノズルから畜舎に散布される仕組み。散布された原液が床の表面につくと、特殊成分の効果によってアンモニアなど悪臭の原因となる物質が分解、抑制され、床の堆肥化を促進させ、床の状態が改善されるというもの。また、暑熱対策にも使え、冬は適度な加湿効果もあるという。環境改善により牛の気管支のダメージやストレスが減ることで風邪などの罹患率が低下、肉質、乳量向上の健康維持に繋がるほか、床替えの頻度も減り、敷料費や作業時間の削減になるため経営環境改善になる。ラインナップは4種。標準型の「Dr.MIST」は2タイプを用意。対象総頭数50~500頭、配管数5ラインで価格が275万円。100~1000頭で10ライン、440万円。装置のサイズはいずれも幅900㎝、長さ800㎝、高さ1500㎝。また、標準型を極限まで絞り込んだ小~中規模向けの「ライト」は対象総頭数10~最大100頭、1ラインで129万8000円。サイズは幅800㎝、長さ505㎝、高さ1000㎝。薬液注入機能のみに絞った「ドリップ」は配管数1本、サイズが幅360㎝、長さ345㎝、高さ670㎝。価格が63万8000円。高濃縮タイプの原液「ウォーター」が2ℓ3万6300円、10ℓ16万5000円になる。肉用牛は0・8~1cc、搾乳牛は1cc~1・2cc。ランニングコスト目安が1頭あたり年間5000円となる。今村社長は「〝臭いが消えない〟という畜産業界の常識を根本から覆したもの。牛の健康維持、経営環境面から日本の畜産業を変え、また雇用創出にも貢献していく。本業である農を核にあらゆることに挑戦していく」と話している。

2020年3月17日発行