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画像認識・自動入力で受注業務効率化  福岡運輸


10月めどに福岡、東名阪仙の5事業所で

貨物運送、倉庫業の福岡運輸㈱(福岡市博多区空港前2丁目、富永泰輔社長)は10月めどに、受注業務において、AIによる画像認識と自動抽出・入力ソリューションを導入する。
同社の受注業務は従来、各メーカーからFAXで送られてくる発注依頼書を受け取り、専用システムの画面に表示させた上で、スタッフが目視で内容を確認した後に手動で入力していた。送られてくる発注書はメーカーによって仕様がまちまちで、確認から入力まで手間がかかり、その作業は「事務作業全体の中でも大きな割合を占めている」(富永泰輔社長)という。このため、AIの活用で作業効率化を図る。
これに伴い、同社はAIソリューション「AMY(エイミー)」を開発するAutomagi㈱(東京都新宿区、櫻井将彦社長)と連携。今年1月から3月まで、福岡運輸の5事業所(東京、大阪、名古屋、福岡、仙台)で実証実験を実施。その結果、送られてくる発注依頼書の文字情報の認識において最大93%の精度を実現。これに加えての自動入力により、5事業所の計25人で行っていた受注専門業務を8人程度でできることを確認するとともに、作業工数も約70%削減することができたという。これらの結果を受けて、8月下旬から5事業所での試験導入を開始し、10月以降に同じく5事業所での本格稼働を目指す。
富永社長によれば、同社に限らず、物流業界全般で受注はFAXで受け付けるのが主流だという。「AIを使って自動化ができれば、オンライン化が難しい取引が小さい荷主らも省力化、効率化が図れる」とする。同社では、省力化できた人員余力について、将来的に「働き方改革の推進、人員配置の最適化などに活用していく」(富永社長)という。

2019年4月23日発行