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構造改革効果で運輸サービス事業黒字化 九州旅客鉄道


週刊経済2023年8月29日発行号

本誌9月号「表紙の人」インタビュー抜粋

九州旅客鉄道㈱(福岡市博多区博多駅前3丁目)の古宮洋二社長は、本誌9月号「表紙の人」インタビューに応え、前期決算の総括や今後の事業戦略について語った。主なやり取りは以下の通り。
―23年3月期決算は大幅な増収増益となった。
古宮 鉄道収入は目標に少し届かなかったが、構造改革による経費削減効果で予想以上の利益が出て黒字化した。他の事業はおおむね計画通り。鉄道のお客さまが増え、相乗効果で駅ビル内の商業施設も回復してきた。
―今期連結決算は売上高が前期比8・8%増の4170億円、経常利益が28・6%増の459億円で、増収増益の見込み。足元の状況は。
古宮 おおむね順調で、ホテル事業などで回復が見られる。2施設を展開している東京では稼働率が9割を超え、インバウンド利用が7割を占めている。
―西九州新幹線の利用実績は。
古宮 昨年9月23日の開業から7月25日までで、利用者数は200万人を突破した。「新幹線エクセルパス」の利用は昨年9月末時点と比較して約2倍に伸びており、通勤・通学にも多くご利用いただいている。
―中期経営計画の進ちょく状況は。
古宮 鉄道事業黒字化を目指してBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)施策を進めてきた。計画最終年度の24年度までの目標としていた、鉄道の固定費の1割にあたる140億円の削減は昨年度に達成した。今年度からは、BPRで培ったスリムな鉄道事業を起点とした「未来鉄道プロジェクト」に取り組んでいる。
―2030年に向けた長期ビジョンでは、非鉄道事業の収益を全体の75%まで拡大する方針が示されている。その柱となるのは。
古宮 不動産事業の成長に加え、M&Aで事業を広げていくことと、BtoB、BtoG事業の強化。これらはコロナ禍でも堅調に推移した。
―M&Aでは、今年6月に熊本市の菓子メーカー㈱フジバンビを子会社化したほか、過去にもいかしゅうまいの㈱萬坊の子会社化、「焼肉ヌルボン」の事業譲受など、地元に浸透している企業が多い。
古宮 地元で知名度がある企業や商品のブランドを、グループの販路やネットワークを活用して広げていくことが、当社にもプラスになると考えている。