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来春をめどに株式公開を計画   ヨシダホールディングス   知名度向上が狙い


 受講料が無料の着付け教室「日本和装」を全国で展開する株式会社ヨシダホールディングス(福岡市中央区大名二丁目、吉田重久社長)は、来春をめどに株式公開を計画している。
 知名度の向上や社員のモチベーションアップなどが目的。株式の公開先は未定だが、ジャスダックやマザーズなど新興市場が有力だ。同社は、全国二百八十一カ所で女性を対象にした「四カ月間の無料きもの着付け教室・日本和装」を展開しており、来年四月までに全国三百教室体制の確立を目指している。現在、着物・帯などのメーカー・卸業者など約五十社と契約しており、受講者を対象に商品の紹介や契約企業と受講者の仲介業務などを実施。契約企業からの広告収入や販促事業の手数料によって受講料無料の教室を展開する独自のビジネスを確立している。〇五年四月までの修了者数は全国で十万八千人。
 同社の〇五年四月期決算は受講者の着物需要が増加したことから売上 高が前年比一・六倍の五十四億三千五百万円、経常利益は同一・三倍の八億二千三百万円となった。今期は、教室数の増加や引き続き着物需要の増加が見込めることから売上高六十五億円、経常利益九億円を見込んでいる。
 吉田社長は「無料きもの着付け教室を通じて着物の文化を伝え、着物の魅力をPRすることで業界の衰退に歯止めをかける。また、生産者と消費者の間で中立の立場に立ち、良質な商品を適正価格で紹介することで安心して着物を購入できる環境づくりを進めている」と話している。

 九州地区で新形態の有料クラスをスタート

 また、同社は六月から九州エリアの三教室で新形態の有料クラスを開講する。
 これは、着物に関する知識や作法などを身に付けるクラスで、名称は「キモノおしゃれ塾」。服飾評論家で日本和装師会会長などを務める市田ひろみさんが塾長を務める。カリキュラムは全十二回で着物だけにこだわらず礼法や和食マナー実習など日常でも役立つ内容も取り入れている。受講料は月額二千円。受講できる教室は福岡市中央区の「天神教室」、筑紫野市の「筑紫野教室」、北九州市小倉北区の「小倉駅前教室」の三カ所で、授業は月曜日から土曜日の午前・午後の合計十二クラス開講する。六月二十日の開講式には塾長の市田ひろみさんを迎え、オリエンテーションと開講式を開催。吉田社長は「今後も、無料きもの着付け教室を修了した方や男性を対象にした新形態のクラス開講を計画しており、より多くの人に着物文化を伝えていきたい」と話している。
 同社は、一九八四年三月創業、一九八六年七月設立、資本金は一億六千十四万七千九百五十四円。〇四年四月一日現在の従業員数は二百六十一人(講師は三百十九人)。
 吉田社長は福岡市出身、一九六二年十一月八日生まれの四十二歳。福岡大学商学部卒、趣味は読書。

2005.6.7 発行 週刊経済より