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新中計目標は売上高23%増の450億円 南陽
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週刊経済2025年7月2日発行号
半導体・AI分野で成長加速
機械商社の㈱南陽(福岡市博多区博多駅前3丁目、篠崎学社長)は2028年3月期を最終年度とする新たな中期経営計画を策定。最終年度に連結売上高450億円(2025年3月期実績比23・2%増)、経常利益35億円(同12・4%増)を目指す。
新中計の基本方針は「既存事業による安定収益確保と将来の飛躍に向けた事業基盤強化」。ROE(自己資本利益率)は8・0%以上を目標に掲げる。主力の産業機器事業で半導体や人工知能(AI)関連の製品ラインアップを拡充し、成長をけん引する。積極的なM&A(合併・買収)や海外展開も進め、事業基盤の強化を急ぐ。
事業の柱である産業機器事業では、28年3月期に売上高273億円(25年3月期実績比22・4%増)、セグメント利益20億円(同19・0%増)を目指す。AIやロボット、次世代半導体といった成長が見込まれる分野で、製品ラインアップの拡充と販売強化を打ち出した。顧客ニーズを捉えた製品開発を製造子会社や国内外の提携先と進める。また、2025年4月にベトナムに現地法人を設立しており、マレーシアや中国の拠点と連携してASEAN地域での事業拡大を加速させる方針だ。
もう一つの柱である建設機械事業では、売上高172億円(25年3月期実績比25・8%増)、セグメント利益22億円(同16・2%増)を計画する。「販売×レンタル×サービス」の総合力を強みに、九州地区での顧客基盤を固める。2025年4月には北九州支店を再開し、今後も効率的な営業体制を再構築していく。
また、成長投資と株主還元の両立も図る。M&Aについては、既存事業とのシナジー効果が見込める個性的な技術やノウハウを持つ企業を対象に、半導体関連や建設機械のサービス・部品分野で検討を進める。キャッシュアロケーションでは、3年間で約90億円の営業キャッシュ・フローを見込み、そのうち55億円を設備投資に、25億円以上を株主還元に充てる計画だ。配当性向は35%程度を維持する方針を示している。
同社では「世界の産業界の技術発展や社会資本の充実に寄与することを経営理念に掲げ、新中計を通じて経済的価値と社会的価値の双方を創出し、持続的な企業価値向上を目指す」と話している。

