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新タイプのパレットチェンジャーを開発 松本システムエンジニアリング 今期売上2割増目指す


 産業用機械製造・販売の松本システムエンジニアリング株式会社(福岡県粕屋郡篠栗町、松本良三社長)はこのほど、工場から商品を出荷する際に自動的に出荷用パレットに積み替える新型のパレットチェンジャーを開発した。
 パレットチェンジャーは、工場で製造した商品を工場用パレットから出荷用パレットに自動的に積み替える機械。出荷の際、工場用パレットのままでは小ロットの運搬に不便なほか、運搬時に傷ついたり汚れたりすることから、衛生面を重視する食品工場などでは出荷用のパレットに商品を積み替えている。
 同社が今回開発した「パレットマスター」はフィルムメーカー向けの商品で、一台の工場用パレットに乗っている製品を最大二台の出荷用パレットに分けて積み替えることができるほか、他社製のパレットチェンジャーでは五~六人必要だった作業も、フォークリフトで製品を機械に搬入し、出荷用パレットに積み替えられた製品を搬出する二人だけでよくなる。一時間あたり最大三十回の積み替えが可能で、全長約十m、最大幅六m、高さは二・八m、一・四tまでの重量に耐えられる。
 フォークリフトで搬入された工場用パレットおよび製品がローラーコンベアで中央部まで移動、両側から「プッシャー」と呼ばれる板で圧力をかけ製品を挟んで持ち上げる。その間に工場用パレットがサイドに流れ、代わって出てきた出荷用パレットの上に製品を乗せ換え、出荷用パレットになった製品がローラーコンベアで搬出区域まで流れる仕組み。
 松本社長は「これまでのパレットチェンジャーは詰め替え作業に時間と人手がかかっていたが、今回の商品はその両方を解決した。応用がきく 商品なので、衛生面を重視している食品メーカーや薬品メーカーなどにも利用してもらえると思う」と話している。
 同社は一九九八年二月の設立。資本金一千二百万円。従業員十二人。〇一年九月期決算の売上高は五億六千万円。多数の特許を持つ全自動包装機をはじめ、建機アタッチメントや下水道削孔ロボットなどを開発している。
 松本社長は佐賀県伊万里市出身で、一九四六年十月八日生まれの五十六歳。近畿大学工学部建築学科卒。趣味はゴルフ、陶芸。

2003.09.17 発行 週刊経済より