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廃食用油を配送用車両の軽油代替燃料に転換    プレナス   来年から九州・山口地域で実施


 外食産業の株式会社プレナス(福岡市博多区上牟田1丁目、塩井辰男社長)は、07年1月から、同社が運営する「ほっかほっか亭」「やよい軒」の各店舗から排出する廃食用油をバイオディーゼル燃料に精製し、同社の配送用車両の燃料として再利用するシステムを本格導入する。
 同社は昨年12月から、配送業務の委託先である運送会社フレートライナーサービス?(糟屋郡志免町、隈本正喜社長)と共同で北部九州の店舗でのリサイクルを試験的に実施。安定供給ができ、配送車の故障もなかったため本格実施を決めた。初期段階として九州・山口を対象とし、936店舗から排出する年間150万リットルの廃食用油から、135万リットルの代替燃料を精製し、配送車111台の約7割の車両の燃料を賄
う。07年中には廃食用油の回収対象を全国の2,371店舗に広げる。本格稼働すると、年間約370万リットルの廃食用油が回収され、現在日本で製造されているバイオディーゼル燃料の全体量に相当する約330万リットルが製造できるという。これを同社の配送用燃料として使用すると、約8,600tのCO2削減につながるほか、食品リサイクル法で努力目標として定められている「自社廃棄物の20%を減量またはリサイクル」を達成できる見込みとなった。
 同社担当者は「自社専用の施設を利用して廃食用油の回収から燃料として使用するまでを自社で完結するリサイクルシステムは日本初」としている。

 07年1月めどにエコステーション建設

 また、同システムの導入に伴い精製所と給油所を兼ねた「プレナスエコステーション」を福岡市内に建設する。投資額は1億3,000万円から2億円。着工は10月、稼働は07年1月。
 同社が回収する廃食用油からバイオディーゼル燃料を精製し、同社の配送用車両に給油する。場所は福岡市内の2カ所で検討中。延べ床面積は精製所が145平方メートル、給油所が176平方メートル。価格は未定だが、軽油と同程度かやや安くなる見込み。最大で月間15万リットルの製造を目指している。今後、埼玉、山梨、宮城の各県と北海道、大阪府にも順次同ステーションを建設する。
 同社は1960年創業、76年設立。資本金34億6,100万円、従業員数は999人。売上高は1,194億8,900万円(06年2月期)。全国に「ほっかほっか亭」2,229店舗、「やよい軒」142店舗を展開中。