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廃棄物やバイオマスの再資源化システム販売を開始  楽しい    エコ・エナジーと共同開発


 食品廃棄物リサイクルの楽しい株式会社(北九州市若松区向洋町、松尾康志社長)はリサイクル装置製造の株式会社エコ・エナジー(同市小倉北区竪町、芳賀裕之社長)と共同で、食品廃棄物や廃プラスチックなどの廃棄物を堆肥や油に再資源化するリサイクルシステムを開発。4月1日から販売開始した。
 楽しいは生ごみを堆肥化する装置を外食企業向けに販売しており、エコ・エナジーが手掛ける、廃プラスチックや廃食用油を灯油、軽油、重油相当の燃料や炭化物に再資源化する「接触分解油化技術」を組み合わせ、総合的なリサイクルシステムとして販売する。同技術は、廃プラスチックなどを高温の炉で溶解して気化した後、冷やして灯油や重油相当の燃料に液化する仕組みで、このほど装置が完成した。処理能力は1日当たり4・8トン。廃プラスチック1トンから灯油や軽油相当を約870リットル、木質バイオマス1トンから重油相当約350リットルを回収できるという。
 同システムは、人口約1万人規模で焼却処理施設を持たない小規模自治体向けなどに販売し、導入費用は人口約1万17百人、年間の廃棄物処理量が1330トンとすると1億7千万円程度。減価償却費と合わせた運用費用は年間約8千万円で、通常の廃棄物処理で必要と言われるのが年間約1億3千万円で、早い段階で回収できるという。松尾隆貴専務は「地域で発生する廃棄物の約9割を再利用でき、温浴施設などのエネルギーや農地還元など地域内で循環するシステムが構築できる。循環型社会の形成に一層努めていく」と話している。
 同社は2001年6月設立、資本金35百万円、従業員数8人、年商約2億円。