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屋台公募制度がグッドデザイン賞 福岡市


週刊経済2025年10月29日発行号

文化を継承し、高評価

福岡市(高島宗一郎市長)の「屋台公募制度」が10月15日、2025年度グッドデザイン賞を受賞した。

行政による文化継承の先進事例として、まちの景観と誇りを未来へつなぐ仕組みが高く評価されたもの。同市は2013年に全国で初めて「福岡市屋台基本条例」を制定。2016年以降計5回の公募を実施し、56軒の屋台が誕生した。このうち44軒が現在も営業を続けており、伝統的な外観や料理を提供する屋台に加え、近年ではイタリアンやカフェ業態など、ユニークな屋台の出店も進んでいる。

審査委員は「自然発生した景色を文化として継承し、条例によって課題を整理しながら磨き上げた点が画期的」と講評。規制ではなく、文化を支える行政の姿勢が全国的にも先駆的と評価された。

屋台の営業期間は最長10年で、公平性を保つため再公募によって次の営業者に区画が引き継がれる。市は「今回の受賞を契機に制度の周知を進め、より多様で魅力ある屋台文化の発展を目指す」としている。