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好決算けん引する不動産事業 九州旅客鉄道・青柳社長


海外事務所は2カ国目

九州旅客鉄道㈱(福岡市博多区博多駅前3丁目)の青柳俊彦社長は8月2日、本誌インタビューに応じ、17年3月期の好決算の要因や好調な不動産事業の域外展開などを語った。

主なやり取りは次の通り。

—17年3月期決算について。

 青柳 売上高が前年比1・3%増の3829億1200万円、経常利益が同89・1%増の605億6500万円で増収増益。昨年に引き続き収支ともに過去最高だった。上場後初の決算で、民営化から30年を経て、民間企業としての基盤が固まってきた。

—特に好調だった事業は。

 青柳 駅ビル・不動産事業。駅ビルは既存の5施設で入館者数、売上高ともに過去最高を記録した。各地のアミュプラザを中心にリニューアルを進め、施設内の設備を充実化させたことや、開業時から入居率ほぼ100%を達成していたJRJPビルが引き続き順調に稼働していることが大きく寄与している。不動産業は3月に引き渡しが完了した「MJR六本松」の売れ行きが好調だった。

—MJR六本松含む、六本松マチナカ開発の完了が目前となった。

 青柳 住宅型老人ホーム「SJR六本松」は9月1日から入居を開始する。同エリアの核となる「六本松421」の商業エリアは9月26日オープン。10月1日の福岡市科学館オープンで全事業が完了する。

—生まれ変わった六本松エリアへの期待感は。

 青柳 エリア内はもちろん、当社の開発事業に伴い、周辺エリアも新たな街づくりが進んでいる。周辺の地価上昇にもつながっているとされ、成果や周辺への影響力を強く感じている。本格稼働が待ち遠しい。

—不動産事業の海外展開について。

 青柳 国内にとどまらず、5月にタイ・バンコクに当社2カ国目となる海外事務所を開設した。ターゲットをタイに絞るわけではなく、東南アジア全体の実態を肌で感じる場として拠点化した。今後、計画的に不動産事業に着手できるような体制を整えていく。

2017年8月29日発行