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大気中のCO2捕集技術活用し実証実験 ヤマウ
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週刊経済2025年2月12日発行号
静岡市のベンチャー企業らと
コンクリート製品製造、販売のヤマウグループの㈱ヤマウ(福岡市早良区東入部5丁目、有田徹也社長)は1月22日、宮崎県延岡市、およびリサイクル石灰開発のベンチャー企業タケ・サイト㈱(静岡市駿河区、武田雅成社長)と、大気中の二酸化炭素を直接捕集する技術を活用した実証実験の連携協定を結んだ。
タケ・サイトが生コン工場で発生する産業廃棄物のコンクリートスラッジを原料に、大気中の二酸化炭素を直接捕集するDAC(ダイレクト・エアー・キャプチャー)技術で再生炭酸カルシウム(石灰)を製造する特許を有しており、延岡市に営業所があるヤマウが同技術で再生した炭酸カルシウムを多様なコンクリート製品などの材料に展開することを目指し技術開発を進めていく。
コンクリートスラッジは全国で年間約160万トンが発生。これをDACに用いることにより低コストでCO2の回収が可能となるほか、山からの原料の切り出し作業を伴わないため、産業廃棄物の減量など低炭素な工事につながることが期待されている。
実証実験では延岡市内の生コン工場から調達したコンクリートスラッジを、市より貸与された廃線の高千穂鉄道のトンネル内でCO2を吸着させ再生炭酸カルシウムへ加工する。具体的には取集したコンクリートスラッジを荒く砕いた後、水をかけて乾かす工程を繰り返すことで、コンクリートスラッジ1トンに対し160㎏程度 のCO2が吸収されるという。