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売上高5・3%減の2077億円で4期ぶり減収 クラフティア中間期


週刊経済2025年11月12日発行号

利益はいずれも過去最高

電気設備工事大手の㈱クラフティア(旧九電工、福岡市中央区天神1丁目、石橋和幸社長)の25年3月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比5・3%減の2077億2500万円、経常利益は21・5%増の241億7800万円で減収増益だった。

売上高については、前年同期に竣工を控えた大型案件が大きく進ちょくしたことによる反動減で4期ぶりの減収となった。一方で、工事受注高は20・8%増の2752億5600万円と前年を上回った。利益面では、原材料価格や人件費の高騰が続く中、顧客との交渉を通じて価格転嫁を進めたほか、現場の効率化や過去の施工事例共有などによる生産性向上が奏功し営業利益、経常利益、純利益のいずれも過去最高を更新した。営業利益は24・9%増の228億400万円、純利益は13・4%増の149億3700万円となっている。

通気の予想に変更はなく、売上高は3・4%増の4900億円、経常利益は6・9%増の475億円、最終利益は10・8%増の320億と、いずれも過去最高を更新する見込み。また、受注高は7・3%増の4850億円を見込む。

長崎県佐世保市の宇久島で進めているメガソーラー事業についても、石橋社長は「7月に3市からの許可が下り、ようやく前に進み出した」と説明。かねて懸念となっていた環境調整が進展し、再生可能エネルギー分野の成長基盤が整いつつあることを強調した。

スタートアップ支援でCVCファンド設立

また、創立80周年を機に11月1日付けで設立した「クラフティア・イノベーション投資事業有限責任組合(CVCファンド)」についても説明。グリーン・イノベーションやAI、建設テックなどのスタートアップ支援を目的に、スパイラルイノベーションパートナーズと共同で運用する。総額50億円を投じ、10年間で約20社への投資を予定、建設業界の課題解決や新事業の創出につなげる考えだ。