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地場企業の新規上場を積極支援 福岡証券取引所・小田原理事長


「顔の見える証券取引所に」

福岡証券取引所(福岡市中央区天神2丁目)の小田原智一理事長はこのほど、本誌インタビューに応じ、「地域のインフラとしての役割を発揮していきたい」と抱負を述べ、地場企業の新規上場支援などの活動に積極的に取り組みたいと話した。小田原理事長は1944年2月12日生まれの73歳。九州大学法学部卒。九州電力で鹿児島支店長、取締役などを歴任した後、07年6月に福岡空港ビルディング社長。相談役、顧問を経て、5月末に奥井洋輝理事長の後任として就任した。

—就任の抱負から。

 小田原 福岡証券取引所は九州・沖縄、山口及びその周辺地域を中心に西日本エリアで唯一の証券取引所であり、地域の重要な金融インフラとしての役割を担っている。その役割をしっかり果たしていきたい。現在、地域を元気にする取り組みが各方面で展開されているが、直接金融の立場から地域経済の活性化に貢献していきたいと思う。

—就任から2ヵ月。あいさつ回りは。

 小田原 だいたい終わりつつある。いろんな会合にも顔を出し、福証の重要性を再認識していただく努力を行っている。経済界、行政を含めて福証に対するご理解、ご支援をいただいていることを実感している。福岡証券取引所活性化推進協議会などは他地域にない取り組み。その期待に応えていかなければならない。

—具体的に取り組みたいことは。

 小田原 まず新規上場を促進する取り組み。現在、この地域では官民問わず、新規の創業を支援する機運がかなり高く、チャレンジ精神旺盛な企業が数多く誕生している。そういう新規企業にとって、将来的な成長過程では資金調達や社会的認知度、信用力確保などのためにIPOが視野に入ってくる。その時に地元で顔の見える証券取引所として積極的な支援を行っていきたい。

次に売買取引の活性化。世界情勢に左右される面が多いが、ここ数年は200億円前後で推移している。投資家を対象に上場企業の魅力や将来性などを知っていただくためのIRフェアを年10回程度実施している。これからも引き続き地道な取り組みを続けていきたい。

—九州IPO挑戦隊の取り組みは。

 小田原 このほど10期生がスタートしたが、ようやく芽は出始めているのではないか。現在、挑戦隊事業の一環でIPOアカデミーを実施しているが、受講希望会社数は増加ケ江にある。3〜5年以内に上場を果たすという強い意欲を持った企業の皆さんが挑戦隊に参加され、上場の実現可能性を高める流れを広げていきたい。

2017年8月29日発行