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営業収益は7・7%増の4434億円 西日本鉄道


週刊経済2025年6月4日発行号

国際物流やホテル事業が好調

西日本鉄道㈱(福岡市博多区博多駅前3丁目、林田浩一社長)の2025年3月期連結決算は、売上高にあたる営業収益が前期比7・7%増の4434億9500万円、営業利益が3・0%増の266億5500万円、経常利益が17・1%増の287億3900万円と増収増益だった。
物流業における国際物流事業で輸出入取扱高の増加や、レジャー・サービス業におけるホテル事業で客室単価の上昇に加え、運輸業におけるバス事業で運賃改定効果などが寄与し、全セグメントで増収となり、営業収益は318億円の大幅増収。経常利益は持分法による投資損益の改善などもあり増益となり、営業利益と経常利益は過去最高を更新したが、純利益は前の期に固定資産売却益を計上した反動で15・8%減の208億1000万円となった。
セグメント別では、運輸業はバス事業が24年1月の運賃改定効果などで、鉄道事業が旅客人員の回復などでそれぞれ増収となり、営業収益が4・1%増の809億4000万円、営業利益が32・2%増の49億7900万円で増収増益。不動産業は住宅事業で分譲販売区画数が増加したものの前の期に比べ販売単価が下がり減収となった一方、賃貸事業で24年12月に完成したワンビルや商業施設での賃貸収入の増加などで、営業収益が2・1%増の877億7700万円。ワンビル完成による費用発生などで営業利益は12・7%減の97億3600万円。流通業はストア事業が前の期に改装した店舗などが寄与し、生活雑貨販売業も24年4月のイオンモール直方店の開業などでそれぞれ増収となった結果、営業収益が1・5%減の719億8100万円。ストア事業での人件費増加などで営業利益は32・3%減の6億5400万円だった。
物流業は国際物流事業で荷動き回復による取扱数量の増加や為替変動による円換算額の増加などが寄与し、営業収益が14・9%増の1480億2300円となったが、仕入価格の上昇などで営業利益は15・0%減の38億4900万円。レジャー・サービス業はホテル事業が客室単価の上昇や前の期に開業したソラリア西鉄ホテル台北西門の寄与などで、営業収益が17・0%増の527億1700万円、営業利益が28・1%増の59億3200万円と増収増益。その他の事業は車両整備関連事業での受注増などで、営業収益が1・9%増の309億5600万円、営業利益が建設関連事業での粗利の増加などで32・5%増の23億6400万円と増収増益だった。
今期は不動産業において住宅事業での分譲販売区画数増加や賃貸事業でのワンビル開業効果などで、営業収益は6・0%増の4700億円、営業利益は運輸業などで待遇改善による人件費増加や減価償却費増加などで6・2%減の250億円、経常利益は持分法による投資損益減少などで17・9%減の236億円、純利益は固定資産売却益増加などで1・9%増の212億円を見込む。