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台湾貿易センターとMOU締結 ジェトロと九州経済連合会


週刊経済2025年9月17日発行号

台湾企業の投資促進などを目的に

 

ジェトロ(=日本貿易振興機構=石黒憲彦理事長)と九州経済連合会(=九経連=池辺和弘会長)は9月5日、台湾の輸出促進機関・台湾貿易センター(黄志芳会長)と台湾企業の九州への投資や企業間の協業などを目的にMOU(覚書)を締結した。

海外企業のノウハウを持つジェトロ、九州企業や各種団体とのネットワークを持つ九経連、台湾企業のネットワークを有する台湾貿易センターの3者が連携し、それぞれの強みを発揮することで、台湾からの企業誘致、九州と台湾との企業間連携の促進を目指す。今回のMOUでは、九州の投資環境に関する情報発信・提供、台湾企業による九州・周辺地域への投資環境視察ミッションへの組成、九州における台湾企業の拠点設立に関する支援、ビジネスマッチング支援などが盛り込まれている。

福岡市中央区渡辺通2丁目の電気ビル共創館6階の九経連会議室で開かれた締結式には、ジェトロの石黒会長、九経連の池辺会長、台湾貿易センターの黄会長がそろって出席。覚書に署名した後、写真撮影に臨んだ。ジェトロの石黒会長は「半導体分野をはじめ、台湾と九州の経済・産業の結び付を一層強めていく重要な一歩」、池辺会長は「九州はアジアに近く、国際的なビジネス展開において大きな可能性を秘めている。台湾との経済交流が一層活性化され、重要な産業基盤である半導体をはじめとして地域産業の競争力向上にも確信している。九州の未来を拓く新たな架け橋として力を合わせて取り組みたい」とコメント。黄会長は「ジェトロ、九経連との3者によるMOUの締結は初めて」とした上で、「両地域が長年にわたり築き上げた緊密かつ有効的な経済関係が投資を中心に戦略的に発展することを期待したい。今回の締結は両地域間の交流を深めるマイルストーンになる」と強調した。

九州と台湾との経済交流では、熊本県菊陽町にTSMCが進出して以降、半導体関連産業や不動産、金融機関を中心に活発化している。これを受け、ジェトロは9月1日付で、福岡事務所に九州広域半導体等誘致推進本部を設置、九州域内のジェトロ事務所と連携し、関連企業の誘致や協業支援を加速させているほか、九経連では4月1日付で新生シリコンアイランド推進部を新設、台湾貿易センターは4月21日付で台湾貿易センター福岡事務所を台湾貿易投資センターに改称、半導体分野をはじめとする台湾企業の九州進出や九州企業との協業を支援する機能を強化している。