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博多駅東のサニックス博多ビルを44億円で取得   福岡リート投資法人   取得物件では6棟目


 東証、福証に上場し、九州、山口を対象に不動産投資信託(リート)を展開する福岡リート投資法人(福岡市博多区住吉1丁目、松尾正俊執行役員)は、9月20日に同博多駅東2丁目の「サニックス博多ビル」を44億円で取得する、と発表した。
 今回の取得は同社がポートフォリオとして所有する物件の中で、福岡地所系列以外では商業施設「サンリブシティ小倉」に次ぎ2棟目。同法人が推進する地域Aクラスオフィス(築浅、好立地、大規模、高スペック)ポートフォリオを拡充することが目的で、9月30日から正式に所有する。
 サニックス博多ビルはホーム・サニテーション事業を展開する株式会社サニックス(同博多駅東2丁目、宗政伸一社長)が所有していた物件。場所は筑紫通り沿いで、博多駅筑紫口の東側。鉄骨造の地下1階付8階建。テナント総数は13、稼働率は100%で、延べ床面積は8,111.25平方メートル。取得後も賃貸契約は継続する。なお運営は株式会社福岡リアルティ(同所、松尾正俊社長)が担当する。

 同日付、米国格付け会社から長期A-、短期A2を取得

 また、同法人は9月20日付で、米国の格付会社のスタンダード・アンド・プアーズ(以下「S&P」と略)から、長期会社格付けとして「A-」、短期会社格付けとして「A2」を取得した。
 これはリートの発祥地である米国の格付け会社から格付けを取得することで、国内でのリート投資法人としての信頼性を高めるもの。長期格付けのアウトルックは「安定的」と評価された。
 同法人は地方を拠点とする国内唯一のJ-REITで、今年6月21日に東京証券取引所および福岡証券取引所に同時上場し、資産規模は845億円と、23社あるJ-REITでは14番目に位置している。05年7月末時点の平均稼動率は99.7%と高いテナント入居率を維持。所有物件に関しては「ポートフォリオの資産集中にもかかわらず資産の質は高く、安定した賃貸収入と収益性の継続が見込まれる」(S&P)と評価されている。
 松尾執行役員は「福岡リート投資法人の所有不動産の質の良さ、および九州、特に福岡市場の安定性が評価され、東京一極集中だけではなく、よい投資対象を市場にきちんと説明できるよい指標になる」と話している。
 同投資法人の運営受託会社である株式会社福岡リアルティは2003年12月設立・創業。資本金は2億円。保有資産額は取得価格ベースで約800億円。所有資産としてキャナルシティ博多(博多区住吉1丁目)、キャナルシティ・ビジネスセンタービル(同所)、パークプレイス大分(大分市公園通り西二丁目)、サンリブシティ小倉(北九州市小倉南区上葛原2丁目)、呉服町ビジネスセンタービル(福岡市博多区上呉服町)がある。従業員数は25人。
 同法人へは、福岡地所株式会社が46%、福岡地所系のエフ・ジェイ都市開発株式会社が12%、九州電力が10%、ロイヤル株式会社が7%、株式会社福岡銀行が5%、株式会社西日本シティ銀行が5%、西日本鉄道株式会社が5%、西部瓦斯株式会社が5%、株式会社九電工が5%を出資している。
 松尾執行役員は福岡県出身。1962年6月21日生まれの43歳。東京大学法学部卒。趣味は旅行、音楽鑑賞。