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創薬支援は減収、投資・コンサルで補填 トランスジェニックグループ
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週刊経済2025年7月30日発行号
最終赤字10億円超に
創薬支援および投資・コンサルティング事業を手がける㈱トランスジェニックグループ(福岡市中央区天神2丁目、福永健司社長)の2025年3月期連結決算は、売上高が前年比0・6%減の130億500万円、経常損失は3億1900万円(前期は1億800万円)となり、減収赤字となった。親会社株主に帰属する当期純損失は10億8900万円(前期は400万円)だった。
創薬支援事業では、中期発がん性試験などの高付加価値サービスの受注は増加したものの、試験の完了時期が来期以降にずれ込んだため、売上高は18・2%減の18億9600万円。強みとするTGR試験の受注も想定を下回り、固定費回収が進まなかった。研究所移転に伴うコストの増加や合理化関連費用の計上により、セグメント利益は18・2%減の18億9600万円、営業損失は4億8800万円の赤字(前期は1億3800万円の赤字)となった。
投資・コンサルティング事業は、Eコマース部門の小売販売は苦戦したものの、昨年4月に子会社化した東北新和化学の寄与や新規開拓、価格転嫁の進展により、売上高が3・2%増の111億1500万円、営業利益は2・1%増の4億3900万円と堅調に推移、全体では増収増益を確保した。
なお、グループ子会社で発覚した受託試験データの不正問題については、補償及び再試験費用として約3900万円を特別損失に計上している。
今期は、創薬支援と投資・コンサル両輪の収益基盤強化を掲げ、売上高が3・8%増の135億円、経常利益9000万円、当期純利益4000万円の黒字転換を見込んでいる。

