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創業者製作の「アロー号」が機械遺産に認定  矢野特殊自動車   現存する最古の国産自動車として


 粕屋郡新宮町の特殊自動車製造・株式会社矢野特殊自動車(矢野彰一社長)は、8月7日に財団法人日本機械学会(有信睦弘会長)から2009年度機械遺産の認定を受けた。
 1916年(大正5年)に製作した乗用自動車「アロー号」が、現存する最古の国産自動車として認定を受けたもの。機械遺産の認定は「筑後川昇開橋」、「三池港水圧式閘門と蒸気式浮クレーン」、「自動算盤(機械式卓上計算機)」に次いで県内4番目。今回の認定では、札幌市時計台など6件が選定されている。「アロー号」は、同社の創業者・矢野倖一氏が24歳の時にほぼ自作で完成させたもので、エンジン・足回りから内装まで、ごく一部を除き国産品を使って製作。現在は福岡市博物館に寄託されているが、定期的に整備されており、今でも走行可能という。「機械遺産」の認定は同学会の設立110周年を記念して2007年に創設された制度で、日本国内の機械技術面で歴史的意義のある機械を毎年認定している。同社は、1922年創業、53年設立で、資本金は4900万円。従業員は約340人。年商は約91億円(08年度)。なお、創業者の倖一氏は、矢野羊祐代表取締役会長の実父に当たる。