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前期比12・6%増の1万611件  19年度県内労働相談


コロナ禍も影響

福岡県内の2019年度の労働相談件数は前期比12・6%増の1万611件で、10年ぶりに1万件を下回った前年から再び1万件を超えた。
昨年度に県内4カ所の労働者支援事務所(福岡、北九州、筑後、筑豊)が受けた労働問題に関する相談を県労働政策課がまとめたもので、最も多かった相談内容は3年連続でいじめやパワハラなどの「職場の人間関係」で、前期比0・3%増の1550件。占有率は1・8ポイン減の14・6%で、前年から10年ぶりに下がった。次いで賃金等の労働条件の引き下げなどの「労働契約」が同6・8%増の1474件。3位は「賃金」で同29・1%増の1288件。3位までは前年と変わらず、4位には前年6位だった「休日・休暇」が入り、同59・7%増の813件。新型コロナウイルス感染症の影響で、「賃金(休業手当など)」とともにコロナ禍に伴う休暇・休業などの相談が増加した。5位は「労働保険」で同44・1%増の810件だった。
労使別の相談件数では労働者からの相談が全体の94・3%を占める1万9件で、このうち正社員は64・8%の6486件。非正社員が35・2%の3523件で、正社員の占める割合が前年度に比べ0・7ポイント増加した。労働者と使用者に間に立って意見の調整を図る「あっせん」については、前年度からの継続5件を含む17件。前年度に比べ12件減った。17件のうち12件が解決し、解決率は75%だった。また、あっせん内容では「賃金・退職金」が6件で最も多く、次いで「労働時間・休日・休暇」が4件だった。

2020年7月21日発行