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再生可能エネルギーの新ビジネス会社設立 ケイ・エル・アイ
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週刊経済2025年6月11日発行号
嘉麻市で系統用蓄電池事業に参入
㈱九州リースサービスの100%子会社・㈱ケイ・エル・アイ(福岡市博多区博多駅前3丁目、小島公孝社長、KLI)は、系統用蓄電池やFIP制度を組み入れた再生可能エネルギーに関する新ビジネス展開の事業会社「KLI新エネルギー合同会社」を設立するとともに、第1号案件として嘉麻市において系統用蓄電池事業に参入する。
新会社には九州電力の100%子会社・九電みらいエナジー㈱(水町豊社長)も一部資本参加。同じ九州エリアで再生可能エネルギーに関する事業実績を積み重ねてきた両社の連携により、環境関連ビジネスの新たな領域拡大を推進していく。第1号案件では、KLIが所有する嘉麻市岩崎の土地敷地内に系統用蓄電池を新設し、蓄電池単独で系統連系をする。定格出力は1999kW、公称最大出力は8226kWh、運転開始予定は来年3月。新エネルギー会社と九電みらいエナジーとの間で需給運用(アグリゲーター)契約を締結し、蓄電池で貯めた電気をJEPX(日本卸電力取引所)市場、需給調整市場、容量市場の3市場での市場取引を通して適切なタイミングで放電することにより、電力系統の安定的な運用を図る。
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて再生可能エネルギーの普及が進む中、電力需給バランスの調整機能を有する系統用蓄電池の重要性が増している。特に九州エリアでは、日照時間が長いことや再生可能エネルギーの導入が盛んなことから発電量が大きくなり、出力抑制が多発するなど出力変動への対応が課題となっている。このような地域の課題に対応し、新エネルギー会社では系統用蓄電池を取り扱い、再生可能エネルギーの発電量を調整するとともに、電力需給が逼迫した際の供給力を確保することで安定的な電力供給を目指す。