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人流回復を確かな成長へ 九州旅客鉄道


週刊経済2026年新春特別号

古宮社長、新年インタビュー抜粋

九州旅客鉄道㈱(福岡市博多区博多駅前3丁目)の古宮洋二社長は、本誌新年号インタビューに応じ、2025年の振り返りと2026年に向けた重点施策について語った。人流回復を追い風に、鉄道を軸とした事業間連携や非鉄道分野への投資を加速し、グループ収益の底上げを図る考えだ。以下、インタビューを抜粋。

―2025年を振り返って。

古宮 インバウンドの回復やスポーツイベント、コンサートの開催増加などにより、人流の回復が明確になった一年だった。鉄道の利用が戻り、駅ビルや商業施設、ホテルなど周辺事業にも好影響が波及し、グループ全体で人の動きが利益に結びつく好循環を実感している。

―足元の業績について。

古宮 中間決算は増収増益となり、経常利益、営業利益ともに過去最高水準で推移している。運賃改定に加え、お客さまの移動が活発化したことが大きい。現中期経営計画の数値目標を上回る見通しで、通期でも過去最高業績を見込んでいる。

―不動産・まちづくり分野の取り組みは。

古宮 半導体関連企業の集積が進む熊本・豊肥本線エリアや福岡都市圏でのまちづくりを戦略の柱に据えている。肥後大津駅周辺ではオフィスビル開発を進めており、将来的な空港アクセス強化も見据えた拠点形成を図る。物流施設についても、人流に左右されにくい分野として重点的に投資している。

―安全・ガバナンス面での課題認識は。

古宮 高速船やバス事業での不祥事を受け、安全最優先の姿勢を改めて徹底する必要性を痛感している。設備更新やデジタル技術の導入に加え、点検や監査の仕組みを見直し、実効性のある安全管理体制を構築していく。

―新規事業や技術分野について。

古宮 自動運転の本格導入や、データセンター事業への参入など、将来を見据えた投資を進めている。AIの普及で需要拡大が見込まれるデータセンター分野では、光ファイバーなど既存インフラの強みを生かす。再生可能エネルギーや新技術の実証にも積極的に取り組む。

―2026年に向けた抱負を。

古宮 人流回復の勢いを一過性で終わらせず、確かな成長につなげる年にしたい。鉄道を中心としたグループ全体の価値向上を図りながら、地域や他社との連携を深め、次のJR九州の姿を描いていく。