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九州工場の2棟増設完成、4月本格稼働 福岡クロス工業 03~04年度に約1億円の追加投資も


 電力ケーブル・光ファイバーケーブルの被覆テープ製造、福岡クロス工業株式会社(福岡市博多区比恵町、天岡健社長)が九州工場(佐賀県神埼郡千代田町)で建設している新工場二棟が二月下旬に完成、三月の試験 運転を経て、四月本格稼働した。
 これは国際競争力を強化するため昨年八月三十一日に着工していたもの。本格稼働までの投資額は約六億円。同社は今年を世界シェアトップに向けた戦略元年と位置づけ、海外シェアアップや新製品開発に取り組んでおり、受注状況などに応じ、〇三~〇四年度にかけてさらに一億円 程度の設備増強を実施する方針。
 既存の第一工場は光ファイバーケーブル用途の材料を製造、加工する一貫工場だが、新工場は新宮工場(粕屋郡新宮町)で製造する電力用材料の生産体制を増強するもので、なおかつ電力用の主力工場となる。第二工場は様々な原材料を混合し一定のコンパウンド、塗料を作ってなお かつそれをコーティングマシンにかける「コーティング工場」、第三工場はそれをスリットや断裁など出来上がった製品を顧客の要望する形に仕上げる「カスタマー用専用工場」として機能を分担する。九州工場全体の敷地面積は約四万三千平方メートル、第一工場は一部三階建てで延べ床面積が約四千四百平方メートル。新設した二棟は平屋建てで、第二工場が延べ床面積一千平方メートル、第三工場が同三千平方メートル。
 同社は今年ヨーロッパ、アメリカ、中国・東南アジアなどでのシェア拡大に取り組む。また、自動車用フラットケーブル向け材料(テープ状)や、携帯電話やパソコン向けの耐熱材料(シート状)などの新製品の開発にも着手し〇四年をめどに実用化する。その後、製品の安定化を 図り、五年後の〇六~〇七年度をめどに進出した海外や新分野でのシェアトップを目指している。
 同社は一九六三年設立、資本金九千四百万円、従業員数百二十人。電力ケーブル向けの被覆テープで国内シェア七〇%、光ファイバーケーブル向けで同九八%と圧倒的。二〇〇二年三月期は売上高が前期比一八・ 七%増の約三十六億二千七百万円、経常利益が同二・一四倍の六億六千一百万円の三期連続増収増益だった。

2003.02.25 発行 週刊経済より