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久山町・福岡市東区の約2万平方メートルの物流施設用地を取得 ニシヒロ 早ければ年内にも第1期工事に着手


 陸上貨物運送業の株式会社ニシヒロ(福岡市東区蒲田二丁目、西尾史郎社長)は久山町久原から福岡市東区蒲田四丁目にまたがる約二万平方メートルの物流施設用地を取得し、早ければ年内にも物流施設の第一期工事に着手する。
 同社は〇二年四月から、トラックの空いたスペースに荷物を積み合わせ、路線便に比べ安価で運ぶ「ダイエット便」を本格的に開始。同時に甘木市にダイエット便の物流拠点「甘木トランスファーステーション」を開設し、関東、関西から入って来た荷物を九州全域向けに積み替えていた。しかし、入って来る荷物の多くは福岡向けに集中していることから、福岡市近郊への物流拠点開設を計画していた。新物流施設は福岡から九州島内に出すダイエット便の物流拠点としても活用するほか、一部は特定の荷主の倉庫機能にすることも検討している。
 取得するのは東証一部上場で、今年一月下旬に産業再生機構からの支 援が決定し経営再建中の株式会社金門製作所(東京都)・福岡工場敷地の約六〇%部分。すでに八月二十六日に仮契約を済ませており、十月二十九日に正式契約する予定。
 同社では当初、一万三千二百平方メートル程度の用地取得を構想していたが、今回その一・五倍の用地を取得することから、物流倉庫は二年程度の間に 需給バランスに応じて数期に分けて建設する。構想では現在ある工場などの建物は解体し一度更地にして、総建築面積九千九百平方メートルに、二階建て延べ床面積四千平方メートル程度の倉庫五棟を建設。最終的には総延べ床面積は約二万平方メートル程度となる見込み。
 九月九日現在、建設会社は確定していないが、来年春の稼動を目指 し、早ければ年内にも第一期工事に着手する。土地取得費を含む総事業費は二十五億円程度と試算している。なお新物流拠点には営業部門は移すが、経理などの本社業務部門は現本社に残す予定。
 西尾社長は「当初計画の一・五倍の用地を取得することになったが、輸送を含み六〇~七〇%の稼働率でペイできる計算だ。建設計画の詰めはこれからだが、恐らく私の代では最大の投資となるので、物流コンサルタントを入れて入念に事を運びたい」と話している。
 同社は一九六七(昭和四十二)年に西廣運送有限会社として設立。九六年九月に株式会社に組織変更するとともに、現社名に変更。資本金は二千万円。正社員数は九十一人。〇四年三月期はダイエット便効果などで売上高が前期比一七%増の三十九億円と九期連続の二ケタの増収だった。今期はさらに同二七%増となる売上高五十億円突破を見込んでいる。

2004.9.14 発行 週刊経済より