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中国市場の調査サービスを開始 電通九州 在九州の企業・自治体の中国進出をサポート


 広告会社・株式会社電通九州(福岡市中央区赤坂一丁目、三輪昌三社長)は六月十日、中国における生活者や企業の実態・動向を把握するための総合調査サービス「D‐ANS・for CHINA(ディー・アンサー中国版)」の提供を開始した。
 D‐ANS・は「Dentsu Kyushu Asia Network Survey」の略で、アジア進出ニーズを持つ企業・自治体向けに提供するアジア市場の調査サービス。在九州の企業・自治体では、経済の急成長により巨大な未開拓マーケットが生まれている中国に注目する動きが活発化しており、株式会社電通リサーチ(東京都中央区銀座七丁目、野村清社長)と提携し、同社の持つ海外調査ネットワークを活用した調査パッケージで中国進出をサポートする。今回パッケージ化した中国以外にも、常時調査可能エリアとして韓国、シンガポール、インドなどアジア十一カ国をカバーする予定。また市場調査だけに止まらず、広告会社の強みを活かし、プロモーション活動、メディア展開、ブランディングに至るまで一貫した支援態勢を今後も整えていく。
 ディー・アンサー中国版の提供するサービスは、中国生活者の実態や意識を明らかにする「生活者調査」と、企業を取り巻く様々な情報を収集・分析する「産業調査」の二つで構成される。生活者調査は「インターネット調査」「フィールド調査」からなる。中国全土で四十八万人のモニターを抱えるインターネット調査においては、政府が国民一人ひとりに発行する国民番号の入力を義務付けるほか、コンピュータによる回答の自動チェックを通すことで、なりすましやいい加減な回答を防止している。フィールド調査には電話調査や訪問調査・個別の生活者インタビューなどが含まれ、多くの現地スタッフの活用により、日本と同様の利用感覚で調査を実施することができる。
 産業調査は、業界の動向を広い視点で捉える「業界調査」、特定の企業について情報収集する「企業情報調査」、ある条件のもとで該当企業を選び出す「企業リストアップ調査」からなる。それぞれ課題抽出やフォローアップなども含めて中国の産業界に精通したアナリストが分析を加え、信頼度の高い情報を提供する。
 九州からの中国向け輸出額は順調な伸びを見せ、十年前の約四倍にもなっている。特に最近は高級志向の富裕層をターゲットとした生活用品の輸出や外食産業の進出などが活発化するほか、農産品や鮮魚などについても自治体・関連団体が販売ルート作りを進めている。さらに中国都市部での海外観光ブームも含めて中国における九州観光の潜在需要はかなり大きいと見られており、九州の企業・自治体・関連団体による観光誘致の動きはますます顕在化している。
7月1日付で「支社統括本部」を新設

 また、同社は七月一日付で、北九州、大分、熊本、長崎、鹿児島の五支社を営業本部から分離し「支社統括本部」を新設するなどの組織変更を実施した。
 支社統括本部は多様化、高度化するクライアントのニーズに迅速に対応するため新設したもの。支社統括本部長には内山健三前営業本部副本部長が就任した。なお〇一年四月に導入した部門本部制は、今回で統轄本部、営業本部、支社統括本部、メディア本部、ソリューション本部の五本部体制となった。
 また、このほかでは、営業本部に「第一営業局」「第二営業局」を新設した。第一営業局は内藤部、吉留部、中村部で、第二営業局は富山部、稲富部、玉井部(新設)で構成。第一営業局長は内藤学・内藤部部長、第二営業局長は富山朗・富山部部長が兼務する。今回の組織変更で営業本部は第一営業局、第二営業局、地域開発営業部、東京営業部、総務課で構成されることになった。

2004.7.21 発行 週刊経済より