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上期業績は予想下回るも受注高は過去最高 高田工業所髙田寿一郎社長に聞く


週刊経済2025年12月10日発行号

 ―今期の業況は。
髙田 今期は化学関係の定修(定期修理)が少なく、通期で減収減益の予想。加えて予定していた建設工事の完工が下期にずれ込んだため、上期業績は期首予想を下回った。ただ下期に入って挽回してきているので、今のところ通期見通しは変更していない。
―その一方で受注は上期として過去最高だった。
髙田 来期は受注残がかなりあるので、完工は増えてくるだろう。また化学の定修も今期より規模が大きくなると思う。
―2025年を振り返って。
髙田 石油化学系で計画が中止になったり、期待した案件の投資がなくなったりと、景気は下降気味かなという印象もあるが、我々の稼働が減るほどではない。
社内的には、好調だった24年度の実績を踏まえて、今期からベースアップ、初任給アップを実施、年間休日も122日に増やした。それもあって今のところ例年より新卒採用が好調に推移している。1年前に完成した社員寮も評判が良く、社員の退職も減っており、人材確保の面ではプラスに働いている。
8月には、社員の家族を本社に招き、会社と仕事に対する理解を深めていただく「TAKADAファミリーデー」の第2回目を開催。また同月、全社規模でのeスポーツ大会も初開催した。社員間のコミュニケーションを深め、ひいては定着率、組織力の向上につながればと期待している。
―新年度に向けては。
髙田 製鉄関係ではカーボンニュートラル案件を継続して受注できている。単年度で見れば全体で増減もあると思うが、2030年度頃までは、仕事量は安定していると見ている。
―長期的な展望は。
髙田 半導体関係は長いスパンで見れば右肩上がりで伸びていくだろう。ただ、もっと長いスパンで考えれば、鉄鋼、化学といった基礎素材産業は価格競争力では海外に劣るし、人が減っていくわけだから、日本国内では高機能、高品質、高付加価値という方向性になるだろう。そうなるとプラントの規模はどんどん小さくなり、定修規模もだんだん小さくなる可能性がある。
しかし中規模、小規模なプラント建設のEPC(設計・調達・施工)案件は、我々が請け負うのにちょうどいい規模感。これまでも取り組んできたし、将来的に見ると、メンテナンスが減っても中小規模の建設工事受注を伸ばしていく、という方向性は間違っていないだろう。
―設備診断事業も今後の成長が期待できるのでは。
髙田 現在力を入れている電流情報量診断システムは、高速道路のトンネル内を換気するジェットファンの診断に採用されるなど実績も上がっている。
モーターの電流信号を解析して、モーター・回転機械の状態を診断するもので、クランプ式の電流センサーを配線につなぐだけで計測できるので、離れたところからでも診断が可能。近々新機種を出す予定で、期待されているお客さまも多いようだ。