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ローカル5G利用の実証事業を本格稼働  QTnetと九工大


無人店舗も増床リニューアル

九電グループの情報通信事業会社、㈱QTnet(福岡市中央区天神1丁目、岩﨑和人社長)と国立大学法人九州工業大学(北九州市戸畑区仙水町、尾家祐二学長、以下九工大)は11月25日、今年3月に九工大戸畑キャンパス内に構築したローカル5G環境を利用した実証事業を本格稼働した。
ローカル5Gエリアは、九工大の掲げる「未来思考キャンパス構想」の一環として、学生が多く集まる図書館や大学生協、中央広場を中心に構築し、民間企業などと実証事業を進め、ローカル5Gを活用した社会課題の解決や新たなサービスの創出を目指すもの。同取り組みには九工大の学生も積極的に参加することで、九州から未来を思考・創造できる人材の輩出も目指す。また、今後はローカル5G環境を活用した社会実装前の実証事業への参加企業を募り、多くの企業と連携を図ってさまざまなユースケースの創出に取り組んでいく。
11月25日には九工大戸畑キャンパスでメディア向けに、視覚障がい者向け道案内システムや歩行支援システム、ローカル5Gによるスマートロボット、店舗など食堂混雑状況検知システムといったローカル5Gを活用した産学連携による実証事業やソリューションを紹介した。また、昨年6月から同キャンパスで取り組む無人店舗「con‐tech(コンテク)」も通信回線をローカル5G化し、画像認識速度の向上など快適性の追求を目指しリニューアル。より多くの学生が利用できるよう、店舗面積を大幅に拡大するとともに販売商品の拡充、決済方法の追加などを行い、今後本格的なビジネス化に向けた技術向上・サービス向上を進めていく方針。
ローカル5Gは地域の企業や自治体などが自らの建物や敷地内で柔軟に5G(第5世代移動通信システム)ネットワークを構築し、利用可能とする無線システム。QTnetは今年3月に総務省からローカル5Gの商用利用が可能となる「無線局免許」を九州で初めて、産学連携では全国で初めて受けていた。

2020年12月8日発行