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マイクロ波常温乾燥機を開発  ワコー    消費電力25分の1に


 乾燥機製造の株式会社ワコー(筑後市大字上北島、相浦正廣社長)はマイクロ波を使って野菜や果物を常温(約25℃)乾燥する装置を開発し、年内には販売開始する。
 福岡県工業技術センター(北九州市八幡西区)と九州工業大学所有のマイクロ波の出力を真空状態にする特許実施権を同社が取得。乾燥技術と組み合わせ、「減圧マイクロ波常温乾燥機」を開発した。野菜や果物、水産品を食用として乾燥させる際に、熱風で乾燥させる従来の機械と違い、真空技術により沸点を下げることで、常温乾燥後の商品の色、香り、味、栄養価を保持することができるという。JA福岡みやこ(行橋市)がイチジクの乾燥試験を行ったところ、従来は茶色に変色する内部の赤紫色に、変化は生じなかった。また、従来と比べ、消費電力も25分の1に抑制できる。こうした結果から、同社では品質の高いドライフルーツや魚の干物などの開発を手掛けるJA、食品加工業者への販売を強化。販売代理店も募集し、拡販する。装置の料金は乾燥処理量2kgが5百万円、10kgが8百万円、30kgが千万円。テスト乾燥も初回まで無料で受け付けている。同社の相浦正文専務は「ワカメなど単価の低い商品では投資を回収するのは難しいが、付加価値の高い加工品を開発できれば、コストに見合うと思う。試験機として県内食品加工会社への納入実績があり、14年度中に年間10台の販売を目指したい」と話した。
 同社は1954年5月設立。資本金は千万円。従業員は6人。11年12月期の売上高は約6千万円。