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コロナ禍で上昇幅縮小も全用途で1・2%上昇  県内基準地価


福岡市は住宅地、商業地ともに8年連続で上昇

福岡県が9月29日に発表した今年7月1日時点の県内基準地価は、全用途(922地点で前年比1・2%上昇、上昇幅は前年比1・1ポイント縮小したものの、5年連続で上昇したことが明らかになった。
用途別にみると、住宅地が前年比0・8%(4年連続上昇)、住宅地は同2・1%(5年連続上昇)、工業用地は同1・8%(4年連続上昇)とそれぞれ上昇したものの、上昇幅は住宅地で0・9%、商業地で1・9%、工業地では0・2%といずれも縮小となった。新型コロナウイルス感染症の影響で経済活動が抑制されたことが、上昇幅縮小の要因とされている。上昇した自治体を用途別にみると、住宅地では福岡市、春日市、大野城市、粕屋町が8年連続、筑後市、筑紫野市、志免町、須恵町、新宮町が7年連続で上昇した一方、上昇から横ばいに転じたのは北九州市と行橋市、上昇から下落に転じたのは宗像市、遠賀町、苅田町の1市2町。宗像市は2年ぶり、遠賀町と苅田町は4年ぶりの下落となった。商業地では福岡市と大野城市が8年連続、春日市と粕屋町が7年連続、筑紫野市、古賀市、須恵町が6年連続で上昇したものの、直方市と苅田町が上昇から横ばいに、行橋市が7年ぶり、宗像市が4年ぶりに上昇から下落に転じた。特に商業地をけん引する福岡市では博多区で9・8%、中央区では9・6%それぞれ上昇、上昇幅は昨年に比べて博多区で7・1ポイント、中央区で5・1ポイント縮小したものの、高い変動率を維持している。物流用地の需要が堅調な工業地は福岡市が7年連続、粕屋町と苅田町が5年連続、久留米市、古賀市、宇美町、志免町、須恵町、新宮町、広川町が4年連続で上昇したほか、飯塚市は1996(平成8)年以来24年ぶりに横ばいから上昇に転じた。上昇・横ばいから下落に転じた市町村は見られなかったものの、18年連続で下落が続いていた豊前市が下落から横ばいに転じ、下げ止まりを見せたほか、みやま市が6年連続、宮若市が4年連続、水巻町が3年連続、大牟田市、鞍手町、桂川町が2連続で横ばいの状態が続いている。

商業地の最高地点は天神1丁目の天神町木村家ビル
上昇率1位は博多駅前3丁目の日本公庫福岡支店

今回、基準地価の最高地点は商業地で福岡市中央区天神1丁目の天神町木村家ビル。上昇幅は昨年に比べ半減したものの、前年比10・4%増の850万円(1㎡あたり)と引き続き上昇が続いている。次いで同天神2丁目のプラッツ天神で1㎡あたりの価格は同8・3%増の650万円だった。3位から5位までは3位が博多区博多駅東1丁目の花村ビルで同11・3%増の520万円、4位は中央区渡辺通4丁目の福酒ビルで同7%増の395万円、5位は同大名2丁目の第2プリンスビルで同15・5%増の350万円だった。
一方、商業地の上昇率上位では、1位が福岡市博多区博多駅前3丁目の日本政策金融公庫福岡支店ビルで16・6%増(1㎡あたり180万円)、2位は同市中央区天神4丁目のミーナ天神の16%増(同340万円)、3位は中央区大名2丁目の第2プリンスビルの15・5%増(同350万円)、4位は中央区舞鶴3丁目の第3コーポ舞鶴ビルの13・9%増(90万円)、5位は博多区博多駅東3丁目の川清ビルの13・6%増(同92万円)。
住宅地の最高地点は、今回初めての調査地点となった中央区御所ヶ谷2―40で1㎡あたり40万3千円、2位は早良区西新7丁目1-36で前年比4・8%増の39万5千円、3位は中央区六本松4丁目5-18で同8%増の39万円、4位は早良区西新7丁目9-16で同4・9%増の38万3千円、5位は早良区百道浜4丁目23―2で同3・3%増の37万2千円と続く。また、上昇率では上位1位から4位までを春日市と大野城市の地点が占め、1位は春日市光町2丁目で前年比9・3%増(1㎡あたり16万4千円)、2位は大野城市錦町4丁目3―30で同9・3%増(同23万5千円)、4位は大野城市山田1―6―16の同8・5%増(同12万8千円)、5位は福岡市中央区六本松4丁目5―8の8%増(39万円)だった。

2020年10月13日発行