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「細く深い穴」の放電加工新技術を開発  福岡県工業技術センター    直径2mm、深さ30cm可能に


 県の関連組織で製造業向けの技術を研究する福岡県工業技術センター(筑紫野市上古賀)は3月1日、細く深い穴を加工するための放電加工技術を開発した。
 放電加工とは高温度の火花で金属を加工する技術。従来の技術ではごく細く深い穴には対応できず、ドリルなどを使った手作業が必要だった。今回の新技術では、放電回数を増やして電流を強くするなどの改良を施し、直径2mm、深さ30cmの穴を加工できるようになった。専用設備を導入して製造ラインに組み込むことで、自動化での対応が可能になる。また、加工にかかる時間は従来の30分から15分に短縮。技術を必要とするメーカーにとっては、自動化による人件費削減や納期短縮が期待できるという。
 今後は県内企業を中心に、設備メーカーを通じて技術移転を進めていく。センターの担当者は「技術についての問い合わせが全国から相次いでいる。非常にニッチな技術ながら、必要とする企業にとっては飛躍的な経営効率化が見込める」と話している。