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「新生シリコンアイランド九州実現へ」本格始動 九州経済連合会・池辺会長
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週刊経済2025年10月29日発行号
台湾との連携さらに強化
九州経済連合会の池辺和弘会長はこのほど、本誌インタビューに応じ、就任から約3カ月を振り返っての感想や新生シリコンアイランド九州の実現への取り組みをさらに前進させていきたいと話した。主なやり取りは次の通り。
―6月の就任から約3カ月。これまでを振り返って。
池辺 ひと言でいうと勉強の毎日。長く電力会社に在籍し、電気事業連合会の会長も務めてきたので、エネルギーについては勉強もしてきたし、詳しいが、経済団体のトップとしての活動は3カ月余りで、何事も初めてのことばかり。九経連ではインフラ整備をはじめ、TSMCの進出によって盛り上がりを見せる半導体産業、さらには少子高齢化による人材不足、その先にあるAI(人工知能)の活用など多岐に渡る分野で活動を展開しており、新たな取り組みも進めており、まさに〝日々勉強〟している。
―半導体関連では昨年9月の九州地域戦略会議で「新生シリコンアイランド九州グランドデザイン」が策定され、実現に向けた動きが進んでいる。
池辺 グランドデザインは九州が単なる半導体の製造拠点ではなく、将来にわたってサプライチェーンを担い続けるため、産学官金で共有されるビジョン。現在、九州に一番注目しているのは台湾の人たち。台湾との関係を中心に半導体産業を九州域内にどうやって根差していくか。ビジョンの実現に必要な課題にチャレンジしていくことが重要になっている、
―9月5日には九経連、ジェトロ(日本貿易振興機構)、TAITRA(台湾貿易センター)の3者でMOU(覚書)を締結した。
池辺 これはすごいこと。日台双方の支援機構と九州の経済団体である九経連が覚書を交わすことができたのは極めて稀なケースで、とてもありがたいことだ。これを機に台湾からの企業進出や、九州と台湾企業との連携強化など相互の連携が深まることが期待される。
―九経連では半導体関連の新たな組織を発足させている。
池辺 4月1日付でシリコンアイランド九州推進部を設置した。専任職員4人、事務職3人の計7人体制でスタートしている。「新生シリコンアイランド九州」の実現を目指す組織で、民間企業や国、自治体、アカデミア、金融機関の「産学官金」が一体となった取り組みが求められる中、その旗振り役を担っている。すでにスタートしているので、今後、勢いをつけていかなければいけない。

