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「ユマニチュード」推進の国際拠点を開設 福岡市
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週刊経済2025年10月1日発行号
来年10月に国際会議開催へ
福岡市は9月1日、認知症のケア技法である「ユマニチュード」を推進するための国際的な枠組み、「国境なきユマニチュード憲章」の推進拠点となる「国境なきユマニチュード推進本部」を開設したと発表した。
市は2018年度から、認知症コミュニケーション・ケア技法である「ユマニチュードⓇ」の普及を推進しており、2023年には、ユマニチュードを考案したフランスの団体などとともに、国境を越えてユマニチュードを推進することを目的とした「国境なきユマニチュード憲章」に自治体として唯一署名していた経緯がある。同時に署名したのは、フランス、コロンビア、日本の教育機関や財団など8団体。今回の推進本部は、福岡市健康づくりサポートセンター(あいれふ)(福岡市中央区舞鶴)2階の認知症フレンドリーセンター内に開設。今後は推進本部が中心となり、フランスからだけではなく福岡市からも国内外に向けてユマニチュードの情報を発信し、国内外の行政機関や高齢者施設へのユマニチュード導入の窓口を務めるなど、普及拡大に取り組んでいく。また、推進本部は、ユマニチュードの情報発信に関する取り組みとして、「国境なきユマニチュード」の国際会議を、来年10月に福岡市国際会議場で開催する計画も発表している。
高島総一郎市長は会見で「ユマニチュードは非薬物的なアプローチで、あくまでコミュニケーションで大切な人に思いを伝えるための技法。これから高齢化がますます進むと見られる中において、より重要性を増していくのは確かで、福岡市が先頭に立って広めていきたいと考えている」と話している。

