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500億円をかけ「ひびきLNG基地」の能力増強 西部ガス


週刊経済2024年12月11日発行号

3基目となる大型貯蔵タンクなどを増設

西部ガス㈱(福岡市博多区千代1丁目、加藤卓二社長)は、LNG(液化天然ガス)貯蔵施設「ひびきLNG基地」(北九州市若松区)に3基目となる大型貯蔵タンクを増設するとともにガス製造やローリー出荷設備などを増強する。投資額は約500億円。来年夏頃に着工し、2029年上期の運転開始を予定している。
CO2の排出量が比較的少ないLNGは、低・脱炭素化に向けて国内外で需要が高まっており、西部ガスではLNGの安定供給のさらなる向上、ひびきLNG基地を活用したグローバルビジネスの推進を目指す。増設する貯蔵タンクの容量は23万㎘と国内最大級で、既存の2基(各18万㎘)との総貯蔵量(約59万㎘)は約1・6倍になる。このほかガス製造設備(LNG気化器・BOG圧縮機等)、ローリー出荷設備なども増強する。同社では「ひびきLNG基地の能力増強は、カーボンニュートラルを背景とした国内の天然ガス需要への対応とともに、将来的にe-メタン導入によるガスの脱炭素化の実現など、不測の事態に備えたエネルギーセキュリティの強化にも役立つ」としている。