４社から新たに２億９千万円の資金調達を実施　ＫＡＩＣＯ

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週刊経済2024年2月27日発行号

シリーズＡ累計調達金額は総額８億１千万円に

カイコを使用したタンパク質受託生産事業のＫＡＩＣＯ㈱（カイコ・福岡市西区九大新町、大和建太社長）は１月１６日、既存投資家の㈱ＦＦＧベンチャービジネスパートナーズと東京センチュリー㈱に加え、新規投資家である伊藤忠テクノロジーベンチャーズ㈱とみずほキャピタル㈱の４社を引受先とする２億９千万円の第三者割当増資を実施した。
シリーズＡ（スタートアップ企業に対する投資ラウンドの１つの段階で、追加開発や販路開拓などに取り組む、市場確保前のフェーズ）の追加ラウンドとして実施したもの。これにより、シリーズＡ累計調達金額は総額で８億１千万円となった。同社はカイコを利用し、難発現のタンパク質の医薬品や診断薬、試薬を開発することを目的に、２０１８年に設立した九州大学発ベンチャー。ヒトや動物用の経口ワクチンの独自開発を進めており、今回調達した資金は、現在注力するブタ用の感染症予防の経口ワクチン・飼料添加物製品の開発やその市場開拓などに充てる。養豚農家では感染症予防のために注射型ワクチンが使用されているが、ブタへのワクチン接種は農家にとって作業負担が大きい点などが課題。その中で日本の倍以上の養豚数でありながらワクチン接種が十分に普及していないベトナムでまず飼料添加物として販売し、さらに東南アジアの他国にも横展開していくことを目指している。大和社長は「ベトナムでの飼料添加物の販売は早くて３～４月には開始出来る予定」と話している。
同社は２０１８年４月設立。資本金９千万円。従業員数１７人。